(②~)
すっかりふてくされて
酔っ払っている私のところにゴニルくんが戻ってくる。
小走りで戻ってくる。
ごめんね。葉子ちゃん…
そう言って少し身をかがめて顔を覗き込む
あれ?もしかして怒ってる?
怒ってるのが全身に出てたかもしれない。
おまけにワインを飲みすぎてふらふらしてて
ゴニルくんから支えられたりもして。
ふたりでパーティーを抜け出そうと言ってきたのはゴニルくんから。
せっかく葉子ちゃんと来てるんだからふたりで楽しみたいんだ。
ゴニルくんはそう言ってふらふらの私を支えながらラウンジへ向かった。
そこへ行く途中
とっても嫌みな作家大先生に会います。
若くして成功してテレビにも引っ張りだこなゴニルくんに明らかに嫉妬しているカンジ。
ゴニルくんは大人な対応…ご指導ありがとうございます。作品で示していきますと
にっこり余裕の構え。
でも私はすごく腹が立ってしまう。たっぷり飲んだワインも手伝って、
「ゴニルくんを侮辱するなんて許さない!!」
って作家大先生に食ってかかる。
ひとしきりまくし立てた後、いこっゴニルくんって言って手を掴んで外に出る…
涙が後から後から
溢れて止まらない
そんな私を見て
「大丈夫?」
ってゴニルくんが。
ゴニルくんが大丈夫?な状態のはずなのに…私を気遣ってそう言って背中をさすってくれる
「君はやさしい子だね。
僕のためにこんなに怒ってくれて」
…
「大好きな人があんなに言われたら黙っていられない」
思わずそう言っちゃった
えっ?大好き?
私は慌ててあっ作品がねって付け加えたけど
次の瞬間
おでこにゴニルくんの唇が触れた。
Kiss?
ありがとう
葉子ちゃんが僕の味方で本当によかったよ…
今のKissだったよね
私は自分のゴニルくんへの思いが確かなものだと思い始めていた。
ゴニルくんは?
ゴニルくんは私のこと
どう思っているんだろう…
何をしてても
誰といても
ゴニルくんのことが気になって気になってたまらない状態になってしまった私を見て、
キャバ友のルミが電話してみたらと後押ししてくれた。
ドキドキしながら
営業じゃない電話をかける。
何て言おう
会いたいって言っちゃいそう。
ん?
何回コールしても出ない
やっと出たゴニルくんの声はとても苦しそうで
私はゴニルくんの元へ
飛んで行く
④に続く
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