⑤~
「今日はもう一つ約束できることがあるんだ」
少し屈んで
私の顔を覗き込んだ後そのままの位置で
ゴニル君は星空を指差した。
ゴニル君に合わせて見上げる。
手品の種明かしのように手のひらを見せた後
裏返して空の星を掴んで
ゴニル君の手のひらは
私の目の前でゆっくりと開かれた…
「100年に一度の特別な日に
一番大きくて輝いている星を葉子ちゃんにプレゼントします」
…おおいぬ座のシリウスはその輝きの分だけ
きっとどの星よりも早く燃え尽きるんだって、小さい頃から密かに心配してた。
もう心配ないね…
ゴニル君の手によって
シリウスは私の左手の薬指に舞い降りて来れたから。
ダイヤのエンゲージリング…
約束は形となって永遠の輝きを放つ。
「僕とこれからもずっといっしょにいてほしい。
葉子…僕と結婚してください」
念願のゴニル君からのプロポーズ
この瞬間をどんなに夢見たことか。
「はいお願いします」
私ゴニル君のお嫁さんになるんだ…って
何度もかみしめながら答える。
「よかった~ありがとう。
これからもよろしくお願いします」
私も90度のおじぎをしようとして思い出した
「イタっ!!」
ゴニル君は慌てて私をおんぶして病院への道を急ぐ…
大きな背中に身を任せ
全面的にあなたに寄り添って
腰の痛みよりも伝わる温かさを大きく感じる夜
私は宇宙一幸せだった。
ラストシーンは
私たちの寝室
プロポーズの数日後
ゴニル君の愛の力か
私は無事退院、仕事復帰を果たした。
お互いの仕事が落ち着くのを見計らって
事務所に結婚の報告をすませ、私たちは充実した毎日を過ごしていた。
「ねぇ…葉子ちゃん」
鏡越しにベッドのゴニル君と目が合う。
「ん?」
「いつまで髪いじってるの?」
「ドレス着る時どのくらいの長さがいいかなって思って…」
結婚式のことを考えるとつい夢中になる。
ゴニル君は葉子ちゃんの思う通りの式にしようって言ってくれてるし。
「おいで(*^^*)」
待ちきれずに掛け布団を捲って呼ばれて
ゴニル君の隣に素早く潜り込んだ。
あっという間に包まれて
首筋にゴニル君の唇&熱い吐息を感じる。
明日寝坊できないんだけどな…って言うと
ちゃんと起こしてあげるよ。おはようのKissで…って言われて
なんだかすご~く安心して
私は
ゆっくり
目を閉じた
ゴニルストーリー
END☆