新しい『RENT』がいよいよ動き出しました! 気になるニューキャストの中からまずご紹介するのは、超新星のユナクさんです。ユナクさんが演じるのは、ロックシンガーでHIVポジティブのロジャー・デイヴィス役(堂珍嘉邦さんとのWキャスト)。製作発表を終えた直後、興奮の余韻を残したままのユナクさんに、舞台にかける熱い思いをじっくりと伺ってきました!
——主要キャストが勢揃いした豪華な製作発表でしたね。いよいよ始まる!といった心境でしょうか。
いやあ~ビックリしました。「Seasons of Love」と「What You Own」、2曲も歌うとは思ってなかったから(注:製作発表での歌唱披露)。今、超新星の全国ツアーをやってる最中で忙しくて、練習が出来たのもつい最近なんですよ。
——とてもそうは思えないほど、村井良大さん(マーク役)、堂珍さんとの息もピッタリでした。
堂珍さんとは今日の製作発表のための歌稽古で初めてお会いして、村井さんはポスター撮影以来だからお会いするのは二回目でしたね。僕、踊る時以外で汗をかくのってテレビ番組の生出演の時くらいなんですけど、今日も汗かきました(笑)。そのくらい緊張しましたね。出演者全員、個性がバラバラだけど、皆すごいエネルギーを持っていて団結感、一体感があるんですよね。僕もこれまでにいくつか舞台をやってきたけど、こんなに明るくて優しい人ばかりなのは初めてです。だいたい「初めまして」だと、シャイだからあんまりしゃべらなかったりするんですけど、皆すごく話しかけてきてくれて、「大丈夫だよ。頑張ろう! イエ~イ!」とか盛り上がって。今から稽古がすごく楽しみです。
——今回の『RENT』出演はオーディションで決まったそうですね。
そうです。事務所の人に「『RENT』は人気のあるミュージカルだから挑戦してみたら?」と後押しされたのもあるけれど、僕自身、昔からミュージカル俳優になることを夢見ていたので、やってみたいなと思ったんですよね。でも逆に、避けたほうがいいかな…という思いもありました。なぜなら『RENT』のロジャーとミミの役は、すごく歌うから喉がカラカラになっちゃうんですよ。そういう心配もあったんですけど、やっぱり決めた理由は、ロジャーという役が魅力的で、自分と似ているところがあるから。この挑戦を乗り越えることができたら、次からはどんな作品でもできるかな、と。新たなチャレンジで、なんだかデビューする前に戻ったような、新鮮な気持ちです(笑)。
——韓国と日本ですでに舞台経験のあるユナクさんがオーディションを受けたことについて、ファンの方々が驚いたそうですね。
はい、「何で受けたの!?」って人もいたし、逆に「すごい、えらいね~」って褒めてくれた人もいます。でもオーディションを受けるのは僕にとっては当たり前のことなんですよね。ちゃんとやれる資格があるのかを認めてもらわないと、とてもできない。「超新星だから」なんていう理由でキャスティングされても、評価を受けるのは自分自身だから。
オーディションを受けて、本当に良かったと思っています。正直、落ちると思ったんですよ(笑)。やっぱり現場ですごくプレッシャーを感じてしまったので。韓国から日本の事務所に何度も電話して「返事、来た!? まだ? やっぱり落ちたんだよ~」って(笑)。でも合格できて、本当に嬉しかった。関係者の方々に「大丈夫ですか? ホントに!?」って聞いちゃいましたよ(笑)。でも「ロジャーに合ってる」と言ってもらえて嬉しかったですね。
——晴れて出演が決まって、作品や役に本格的に向き合うようになったんですね。
そうですね。まず、オーディションを受ける前に決まっていた7月のスケジュールを、全部キャンセルしました。『RENT』ではギターも弾かなきゃいけないし、歌も、発声の仕方が違うからしっかり練習しないといけないなと思っています。
——超新星のメンバーからはどんな反響が?
皆、自分のことみたいに嬉しいと言ってくれてますね。「うちのリーダーが、日本で『RENT』の舞台に出るよ!」って言うと、周りがスゴい!と言ってくれるので。「初めて自慢できるよ」なんて言ってますよ(笑)。
超新星のメンバーも、4人が韓国の大学で演劇を専攻していて、ゴニルとジヒョクだったかな? 二人は大学の入学試験で『RENT』の「One Song Glory」(ロジャーのナンバー)を歌って合格しているんですよ。それもあって今回のオーディションも、「頑張ってね! ぜひやるべきだよ!」って言って応援してくれましたね。
——いろんな運命的なつながりがあるんですね!
そうなんです。今も彼ら、「One Song Glory」を現場でうるさく歌ってますよ(笑)。
——(笑)。村井さんと堂珍さんの印象はいかがですか?
村井さんはすごく優しくて、情熱的で、超イケメンだし、マーク役にピッタリだなと思いましたね。作品や役についてすごく研究しているという話をスタッフから聞いて、頑張り屋さんだなと。仲良くなって、いろいろと息を合わせていきたいです。
堂珍さんはまず、今回は舞台の上で一緒に芝居ができないのがすごく残念で。僕、昔から大ファンだったんですよ。CHEMISTRYの歌でオーディションを受けたこともあるし、ライブでも何回も歌ってるし。だから歌稽古では、人生の中で二番目くらいに緊張しましたよ! 初めてお会いして、子供みたいに「どうしよう~!」って思ってました。製作発表で憧れだった堂珍さんと一緒に歌えて、緊張もしたけど、気持ち良かったです。たぶん一生に二度とない経験、すごいことですよね!
——その感動を胸に(笑)、これからお稽古に全力投球の日々が始まりますね。
そうですね。僕、朝が弱いので、寝坊したらどうしよう~ってそれが一番心配。皆に「遅刻魔」と言われているんです(笑)。次に心配なのはやっぱり日本語ですね。日本の舞台だから、日本の人みたいにちゃんとしゃべらなきゃ!と強く思ってるんですよ。「ユナクは外国人だから、アレくらいでいいんじゃない?」じゃなくて、「えー、韓国人だと思わなかった!」って言われたいんですよね。僕も、韓国の舞台で外国の俳優さんが演じている時、ちょっと発音がヘンでも「まあ、外国人だし」と思ったことはあります。でも、舞台を観ながらそう思わせたらいけないんですよ。観終わった後に、「あ、そうか。彼は外国人だったんだ」と思ってもらいたい。難しいと思うけど、頑張りたいですね。
——大変な稽古のなかでの、ユナクさんの息抜き、リラックス法などがあれば教えてください。
ケーキ屋さんに行って、生クリームケーキを買う! 大好きなんですよ~。で、その後にコンビニに寄って、また自分が好きなものをいっぱい買って、家に帰って、それを食べながらテレビを見るのが一番好きです。
——なんか……結構ささやかな楽しみですね(笑)。
ハハハ! 昔からそうなんです。コンビニでゼリーとかプリンとか買うのが好きなんですよね~。稽古に入ったら毎日買って帰ると思います。
——太らないように気をつけてくださいね(笑)。
大丈夫。太らないタイプなんです。遺伝だと思う。家族の中に太ってる人が一人もいないんですよ。
——なるほど。ユナクさんは、ご自身の声についてはどう思っていますか?
正直、自分自身に満足している人ってひとりもいないと思うんですよね。「ユナクの歌声が好き」と言ってくれる人は多いけど、やっぱり僕が今しゃべっている声と、歌う時の声は違うんです。普段の声は結構太いんだけど、歌うとちょっと薄いというか…高めの音になる。そこがイヤなんですよね。普段のしゃべっている声のままで歌いたいと思っているんです。韓国では今、相手に話をしている感じで歌う歌い方、メッセージを伝える歌い方が流行っているんですよ。僕も今その歌い方を練習しています。
——練習の成果が『RENT』で見られるのを楽しみにしています。最後に観客の皆さんにメッセージをお願いします。
『RENT』という舞台が素晴らしいのは、登場人物それぞれの感情や状況を、全部見せてくれるところなんですよね。それぞれのナンバーもすごくいいし、それぞれのキャラクターに魅力を感じる作品です。ロジャーは、ミミとの愛に自信がある時の態度はすごくクールなんですが、ミミと別れた後はすごく弱虫で、寂しがりやになる……と僕は思うんですね。そのギャップをちゃんと見せたいし、歌でもそのギャップを感じてもらえるよう、しっかり表現したいと思います。
——頼もしい。多くの『RENT』ファンが期待していると思います!
あああ~~~~ヤバイですね(笑)! でも頑張りますよ!