『かっぱの妖怪べりまっち』159話「へそさぐり」その後の話 | おばけのブログだってね、

おばけのブログだってね、

The 25th Anniversary of Formation

2020年12月末に配信終了となった『携帯サイト新耳袋』。

11年間に亘り連載していた短編、『かっぱの妖怪べりまっち』は、第563回で終了となりました。

当時の掲載作を週1編ずつこちらのサイトへ転載しています。

※131~174話まで、43話から登場したオリジナル妖怪たちのエピソード続編となります※

 

女子の新しいペット妖怪「へそさぐり」その後の話

へそにぶらさがって、少しずつ体温を奪う小さな妖怪『へそさぐり』。

この妖怪は甘えん坊で、誰かの体温を感じていたいからへそに潜り込むんだと説明したところ、可愛い!母性本能をくすぐられると女子人気が急上昇した。ぜひ『へそさぐり』に来て欲しいとおへそを出すファッションも流行する。

その反面、下痢気味の男子からは酷評だった。お腹が冷える、どうしたら離れるかと問い合わせがきた。

 

前回、トンビをお腹に乗せれば『へそさぐり』から解放されると言ったところ、あの大きな鳥がお腹に乗るもんか嘘つき河童め!という辛辣なご意見をちょうだいした。

確かにかっぱも人から聞いた話だし、自分で試してみないと、というわけでトンビの好物である油揚げをお腹に広げて農園のど真ん中で大の字になって待つと、裏山からピーヒョロロと声がする。油揚げを目指して急降下のトンビ、油でぬるぬるのかっぱのお腹の上でバリバリと数回足を滑らせ飛び去った。

渦中の『へそさぐり』はかっぱのへその奥ですやすや寝ていた。

 

ミミズ腫れのお腹を抱え、あれは迷信でしたと謝罪したところ、ふざけるな他に方法はないのか?と『へそさぐり』をぶら下げた男子から詰め寄られて苦し紛れに

「おへそにお灸をするといいかも」とデマカセを言ったところ、パタリと苦情が止んだ。

どうもそういうことだったようだ。