「みかん」の苗木を植えませんか?


 昨今、特別養護老人ホーム(以後、特養)は「終の住家」か、いや在宅復帰のトレーニングセンターか等の議論が交わされ始めている。

 私どもは、そのような議論に加わることはやめておこう。今必要なのはあくまで特養利用者の「尊厳をもち、かつ自立的な生活を送ってもらうための支援機能としての役割を忠実に担う」ことであろう。

 どこの施設でも見る風景であろうが、少なくとも私どもの施設の日常の中心は「車椅子」と「テレビ」である。車椅子は今や介護の必需品、施設利用者は「ベッド」で寝ているか「車椅子」に座って「テレビ」を見るかしている。ベッドから起き上がり、車椅子に乗り、トイレに行く。車椅子に乗り、食堂に行き、そのまま食事を済ませる。あるいは車椅子で歩行訓練所まで移動し、歩行訓練終了後また車椅子で自室にもどる。このような風景が日常である。

 またテレビ・・・・「見るでもなし」「見ないでもなし」に入所者はテレビの前にて目はテレビに向いている。そして1日、テレビの前の机に平伏して時を過ごしている。その時も当然車椅子に座って。

 私どもの日常がこのような風景を作り上げてしまっているのです。このような風景を作り上げたところに今の私どもの宿題が潜んでいると思われるのです。

 本年度になり、私どもは「おむつはずし」「車椅子から歩行へ」「常食化」へと全利用が可能となるべく運動を開始した。

 

 キックオフの笛を吹いてからまだ間もないのですが、やってみてわかりました。一見、利用者のためを思い実施していた「おむつ」「車椅子」「流動食・ソフト食」等は応々にして我々施設側の利便性、あるいは介護する側の都合の為に実施されていたことが・・・・。

 さて、私どもはこの運動を全職員をあげて実践していこうと思っています。

 なぜならばこの目的をはっきりと持った行為の積み重ねが、介護の新しい手法あるいは考え方に行きつく予感がするからです。

 折々にこのホームページを通して報告いたします。何かご意見があればどうぞお気軽に書き込んでください。何か新しいことが生まれるかもしれません。

 それから御多分に洩れず私どもは人手が足りず困っております。このような「新しい介護」のあり方、あるいはその実践に興味をお持ちの方は、共にこの実践に参加いたしませんか?

 

 何かはじまるような予感がします。ご連絡を下さい。