とりあえず黒で

黒ならはずれないから

黒にしとけば何にでも合うから


黒が好きという訳でもないのに

いつも黒を選んで

ぶなんにぶなんにに生きてきた私。


目立たないように

はみでないように

自分をださないように

まわりに合うように

黒を選ぶ。


黒は闇。

自分をうまくかくしてくれる。

自分をかくすことで一番安心できた。

闇がすき。



でもある日


子どもと出会って

自由にしていいんだって気づいた。


髪も服も靴もかばんも

黒くなくたっていいんだって気づいた。


黒以外にもこんなにたくさん色があるんだって気づいた。


黒じゃなきゃって思ってた時より

黒でなくてもいいんだって思えた時

楽しくなってきた。


私の中から黒が消えた日。

私の中から色が生まれた。



黒をさけるようになった。

黒は全部かくしちゃうから。

せっかくの色が消えてしまう。

闇はきらい。



ある日

黒い紙に絵を描いた。


絵は白い紙に描くものだと思っていた。


黒に描くなんて色が消える。

黒に描いたって色が見えない。


白に描いた方が色がきれいに見える。


でも黒に描いてみたい。

どうなるんだろう。


黒に色をつけてみた。


不思議・・・


色がうきでてくる。



黒




黒はかくしてなんかいない。

色をはっきり、しっかりだしてくれる。


黒は闇。

どんな色も光も

存在すれば

確かにそこにいる。


闇の中で色は光。

闇があるから色は光るんだ。



黒は色を引きだしてくれるんだ。


黒は闇。

何もかもかくしてしまう闇。

そう思ってたのは

私の勝手な思い込み。


すべてがあって同時にすべてがない。

黒は信念なんだね。


黒が好きになったよ。