昨日観に来て下さった、
池袋西口公園横のAbsolute Blueという
素敵なJazz Barのオーナー、星川あゆみさんより
ご丁寧な感想をいただいたので、
ご本人の許可を得て掲載させていただきます。

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辛い話でした。

あえて狂気がテーマだったのかな。。

テレビの時代劇のようなエンタメは、殺しにリアリティーがないからいいけれど。。

あれほど人が殺される中、殺される側に感情移入してしまい、特に”こまん”とボウが殺されるくだりは、女優さんの演技力の凄さもあって、母親としてはあまりにキツかった。
そして生首を持ち帰るあの神経。自分を騙したこまんを、それでも愛しているというよりは、我がものにしたいだけの狂気。
生首は血がしたたり、腐るし臭いし変色するし、愛していたころの顔とは程遠く、己がそんな変わり果てた姿にしてしまったことを、どんな思いで、愛しげに抱えているのか。

寛大に許したかにみえた城代は、帯刀を許された時代にそんな狂気殺人を数々見てきたゆえなのか。
最後に数右衛門をかばおうとしたトミは、ただの世間知らずなお嬢様なのか。

自分を陥れた人間を、殺してやりたいとは思うが、本当に殺したら寝覚めが悪い程度ではすまない。
異性に入れ上げて騙されるなんてのはよくあること。通常は「高い勉強代だったね」で終わる話。
数右衛門が世間知らずでバカだったのに、男の意地で皆殺しにしてしまった。。
なぜ一度許してまた気が変わり、泣きすがる母の眼の前で乳飲み子を殺すに至ったのか。。

原作を読んでみたいと思いました。
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ここまで想像していただけると
嬉しい限りです。

『数右衛門』あと三回。
お客様の想像の中で舞台は完成します。

よろしくお願い致します!