今まで数え切れないほどの舞台を観劇してきて、
心からこんな舞台がやりたい!と
魂がうち奮えた作品が、
一つだけあります。

世田谷パブリックシアターで上演された
サイモン・マクバーニー演出の「春琴」。

日本の物語が演劇を通じて立体化され、
空気で、画で、音で、
観客の想像力を心地良く刺激してくれて、
何か普遍的な人類共通の感覚が
じわりと体に沁み通ってくるようで、
終演直後、ふっと緊張から解かれて
興奮の拍手に包まれる観客席、その中にいて、
ゾクゾクがおさまらなかった。

その時の演出家、
サイモン・マクバーニーの新作一人芝居が、
ロンドンのバービカンシアターで上演され、
そのインターネット中継が
一週間限定で先日無料配信されていました。

こちらの記事で紹介されています。

The Encounter, Edinburgh International Festival review: a five-star hallucinogenic trip with Complicite

実話を元に書かれた鮮烈な物語もさながら、
このヘッドホンで聴くように作られた芝居は、
原始的な手法をデジタルな機器と組み合わせて
時空を超えて聴き手の脳内に劇空間を創り上げる
見事なパフォーマンスでした。

導入もあざやかでした。
落語の枕みたいに、
観客に向けた雑談のようなところから入り、
そのまま気付くとパフォーマンスが始まっている
計算しつくされたオープニング。

テンポ、テンポ、テンポ。
喋り、小道具、音響、喋り。

頭の中の独り言が語られ、
脳に直接風景が、思考が埋め込まれていく。

一人で、2時間半。
これが、飽きない。
むしろどんどん引き込まれていく。

見事でした。

最近、俳優というパフォーマーが
一人で出来るパフォーマンスとは何かを
考えているところに、
とてもいい先例を見せてもらえました。

最近は表現のタイプが違う舞台も
結構劇場に観に行っていて、
自分の言葉で語る舞台、アクション、朗読、
サスペンス、身体表現、ミュージカル、
そしてNODA・MAP。
自分の中に蓄積していっています。

実力派ミュージシャンが集まるライブハウス
池袋Absolute Blueでスタッフをしている関係で
最高の音楽に生で触れる機会も多く、
日野JINO賢二さんのベース、
HAKUEIさんやはんだすなおさんのピアノ、
菅野智明さんのドラム、
シャーク一成さんのヴォーカル、
花*花のこじまいづみさんの表現…

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他にも沢山おりますが、
皆群を抜いて魅力的な表現者で、
表現ということに関して
勉強になることが沢山。

absorbing.

その成果がどう出るか。
ヘンリー六世、リチャード三世。
共に稽古が始まっております。

どうぞお楽しみに!

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