毎度お馴染み、オススメシリーズ、今回は疎開サロン『ワーニャ伯父さん』(5/25-28)のススメをお届けします。




毎日の生活に満足、してる?



目の前の仕事や、生活のあれこれを1つ1つこなしながら、毎日をそれなりに一所懸命生きていて、色んな不満も口に出すけれど、まあまあ明るく、満足できる生活を送っている。


でも、ふと、どこかで何かが違ったら、自分にももっと輝かしい人生があったのではないか、と感じたり。


ともするとそんな局面にふと立たされて、もしかしたらここが自分の人生のドラマチックな瞬間かもしれない、と一瞬思ったりする。


でも自分は、結局、日常のレールは踏み外さず、また毎日の生活に戻っていく。


でも、その経験を経て、そこからは日常を、ちょっとそれまでよりも前向きにとらえて生きることができたり、して。



……これは、現代の東京で生きる日本人の話



ではなく、



チェーホフの戯曲『ワーニャ伯父さん』に出て来る1895年頃の登場人物の話です。





満足な人生を送りたい、生活者たち。



王族や軍人、政治家、良家のお嬢様や貴族が主役のシェイクスピア作品と違って、チェーホフ作品に登場するのは日常生活を送っている人たちです。


そんな、『ワーニャ伯父さん』の登場人物たちを紹介します。



《退職して肩書きがなくなったら凡才だと判明してしまった大学教授セレブリャーコフ

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廣畑達也



《美しいしか取り柄がないその若い後妻エレーナ

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外村道子

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桑原なお


《教授と最初の妻との間の娘、誠実で働き者だけど器量が良くないと悩むソーニャ

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吉田由布子



《元々はインテリだっだが妹のために農民になることを選んだ、最初の妻の弟ワーニャ

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小林裕



《結婚直後に逃げた妻にお金を送り続けて没落した元地主テレーギン

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坂本翠



《環境問題に強い関心を持っているが仕事に忙殺されている田舎の医者アーストロフ

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岩崎MARK雄大



《淡々と生活する、神様への信仰心が強いソーニャの乳母マリーナ

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黒木佳奈



《田舎で女性解放運動に入れ込んでいる、教授の信者、最初の妻の母ヴォイニーツカヤ夫人

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三輪絢香


《そしてこの作品の舞台である教授の最初の妻ヴェーラの実家で働く下女

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郷間楓子


それぞれが、自分の日常を、ただ幸せに生きようとしている中で、否応無く起こってしまった些細な不幸のドラマに巻き込まれ、それでもそれぞれがまたその先の人生を、生き続けていくしかない。そんな、身近であり普遍的である、作品です。




全ての問題のはじまり。



この物語が始まる前の話。



大学教授のセレブリャーコフとその後妻エレーナは、彼の活動を応援する先妻の実家で働く義理の弟ワーニャと先妻の娘ソーニャから仕送りをもらいながら都会で暮らしていた。ところがいざ教授が退職してみると、肩書きのなくなった彼には書いた本を売って生活できるほどの価値も地名度もなく、都会で暮らすお金に困り、先妻の娘が済む先妻の実家に転がり込んできた。



ここからこの物語は始まります。


精一杯生活している田舎の人たちと、そこに転がり込んだ都会人との間の、生活習慣の違いから生まれる苛立ち、妬み嫉み。そこに人恋しい男女の愛されたい/愛したい願望が絡み合って生まれる日常の延長線のドラマ


ここに、現代トーキョーでチェーホフの『ワーニャ伯父さん』を上演する意味があると感じています。




実験が渦巻く稽古場。



固定稽古場へ移動し、絶賛稽古中の疎開サロン『ワーニャ伯父さん』。作っては壊しを繰り返す中で、お客様が鑑賞するのではなく、自分たちの生活の先にあると感じて、登場人物を愛おしく思い、馬鹿だと感じ、でもそういうとこあるよね、人間って、と思ってもらえる作品を創作しています。


どこまでチェーホフに忠実に壊し、本質を捉えて現代との距離を縮められるか、挑戦の日々を重ねています。


その成果を目撃し、共に作品を創り上げるお客様になって欲しいと思っています。





岩崎MARK雄大の、カクシンハンではもしかしたら見られない役回り?!



今回、アーストロフという役を演じさせていただいているのですが、この役は所謂二枚目の役回りです。


最初はチェーホフと組んでいた演出家のスタニスラフスキーが演じ、後にイギリスではあのローレンス・オリヴィエも演じ、今年8月に日本でやるケラリーノ・サンドロヴィッチ氏演出の上演ではおそらく横田栄司さんが演じる役回りです。


アーストロフは、作品の中で、女性に愛され、女性とつながりを求め合います。多分カクシンハンでは、こういうとき女性側をやるので、今回は貴重だと思います。


カクシンハンでは見られない一面を是非観にきてください!




まもなく、5/25(木)~28(日)の上演。



いよいよです。


広めの空間(舞台面はカクシンハンの『マクベス』よりちょっと小さいくらい)ながら、毎公演60席限定という贅沢な作りになっているので、観に来ていただければお得に感じてもらえると思っています!

(会場:SOOOdramatic!


まだ予約受付中なので、是非ご検討ください! 



【疎開サロン『ワーニャ伯父さん』詳細】

http://ameblo.jp/yudaiiwasaki/entry-12261789614.html




【岩崎MARK雄大扱いご予約フォーム】

https://www.quartet-online.net/ticket/vanya?m=0fbghgb


(応援しているキャストの扱いでご予約いただければ、応援が届きますので、それぞれ応援しているキャストのところから是非ご予約ください!)



【上演とは別イメージのトレイラー動画】

https://youtu.be/yY5IAaAkuDM




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台東区でお会いしましょう!



今回客演させていただく疎開サロンは、演出家の田丸一宏、俳優の黒木佳奈、カメラマンの笛木雄樹、ギタリストの木谷仁による、台東区を中心に活動しているユニットなので、上演も入谷(鶯谷)という、なかなか観劇には行かない場所で行います。


【会場:SOOO dramatic! への道程】

https://ameblo.jp/yudaiiwasaki/entry-12277682799.html



新しい芝居を観に行くと共に、東京の新たな一画を開拓するつもりで来ていただければ、また何か刺激を得てもらえるのではないかと思っています!


生活する人たちの芝居をやるのにぴったりの会場です!




■ 最後に…



長々とご案内させていただきましたが、いつもながらですが、お互いにこの上演からたくさんの刺激を受けて、日常を少しでも幸せに生きられればと思って、この記事を書かせていただきました。


劇場にいらした際には、近い距離感のお芝居ですし、是非お気軽にお声掛けいただければと思います。皆様の喜びが演じ手の喜びです。


沢山のご来場をお待ちしています!

どうぞよろしくお願いいたします。



◆岩崎MARK雄大◆

2017.5.16