2023年、世に問う大問題作が放たれる―
実在の障害者殺傷事件をモデルに作られた映画『月』を見て来ました。
答えのない問いを突きつけられた
やまゆり園の殺傷事件を題材に書かれた小説『月』の映像化、原作未読です。
公式ホームページによると、映画には小説には無い仕掛けがあるらしい。
深い森の奥にある重度障害者施設を舞台に描かれた本作は、たくさんの人が見て見ぬ振りをしてきた介護の闇と苦悩を描いています。
人は何のために生まれて、何のために生きているのか
世の中の為になっていなければ、生きててはいけないのか。
介護人口が増え続ける日本で、簡単には答えを出せない大きな問いを突きつけられました。
重度障害施設や老人介護施設で働く友人や、SNSからの情報で、介護の現実(闇)を多少は分かっていた気でいましたが、
現実は、もっと深かった。
高い志を持って飛び込んだ介護の世界。
意思疎通が出来ない障害者や、心が荒んだ同僚との日々に、介護する側も心が壊れていく・・・
殺戮シーンは、それほど残酷には描かれていません。
それよりも、登場する重度障害者たちの姿が私には残酷に映りました。
優しい心を持ち絵の好きな青年さとくんが、なぜ事件を起こすに至ったのか、
悪いのは本当に彼だけなのか、見て見ぬ振りする側に責任はないのか、
決して他人事ではない問題、たくさんの人に見てもらいたい、そして何かを感じてもらいたい作品です。
俳優さんたちの演技も本当に素晴らしいです、役作り、相当頑張ったんだろうな・・・
では、また明日お逢いしましょう。
愛と幸せを運ぶがまぐち作家
ゆきむしでした。