おはようございます。雪乃です。
出てくる芸人さんは全くの妄想の産物デス…
温かく見守ってくださいませ。
んでは、続きでっす(^o^)/
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Side O
「あっリーダー。ここ来て、ここ。…うちのリーダーです」
近づいていく俺にニノが気づいて俺を空いていた隣りに座らせて、テーブルの他の人達に紹介した。顔見知りのスタッフやそうでないスタッフもいた。
リリティとやらに顔を向ける。
「大野さん!はじめまして~リリティと言います。今度前説やらせていただくことになりました。よろしくお願いします」
そいつはかけていた薄いサングラスをとって挨拶の口上を述べた。すごく背が高くて、がっちりした体つきだ。年の頃は俺らと同じくらいか。俺はよろしくお願いします、と言って頭を下げた。
誰かがビールを頼んでくれて、乾杯する。
「いやぁ~嵐さんが2人!豪華ですね~」
リリティが陽気に笑う。
「ニノさん、空いてますよ!何飲みますか?」
「んじゃビール」
リリティがニノの腕をそっと触りながら、注文を聞いたのを見て、またさっきの苛立ちが蘇ってきた。
「ニノ、大丈夫?飲み過ぎじゃない?」
ニノの手をとって手のひらを上に向ける。
「ほら、手のひら真っ赤」
「大丈夫。今日はいい気分だから」
目を細めて笑うニノの頬が上気して少し紅く染まっている。
大丈夫、と言った割に注文したビールを受け取ろうとして、ニノは少しよろけた。
「わっ大丈夫?」
リリティが立ち上がってニノがビールのジョッキを握った上から手を重ねて、そのままテーブルまで運ぶ。
「大丈夫、大丈夫。サンキュ」
ニノが照れ臭そうに笑う。
うー…
…翔くん、俺全然守れてねー…
ちょっと落ち込んでビールをぐいぐい飲んでいたら、リリティとしゃべっていたニノがくるっと振り返った。
耳元に口を寄せるからどきっとする。
「今日、いつ帰る?」
いたずらっ子みたいなきらきらした目で俺を見つめている。
「帰るって…」
「今日、約束してただろ」
「うん…」
覚えてくれていて、めっちゃ嬉しい…。
思わずにへって笑ってしまう。
「もう帰ろ」
「え、もう(笑)」
ニノがふふって笑って、俺の服の腕部分をつかむ。
「いーよ、帰ろっか」
ニノが腰を浮かせたのを目ざとく見つけたリリティが声をあげた。
「あーっ、ニノさん。もう帰るんすか。まだビール来たばっかりっすよ」
他のスタッフさん達も、笑いながら、えーって叫んで、俺たちを引き止めた。