大宮ヶ丘に陽は落ちて 17 | 妄想を文字に変えて〜嵐 大宮小説〜

妄想を文字に変えて〜嵐 大宮小説〜

嵐のニノちゃん、大野さんをイケナイ目で愛でる妄想小説ブログです。

残念ながら、ちょっと腐な感じです。

あくまでも妄想なので、生温かく見守ってくださいませ。





Side N





大野さんと手をつないだまま廊下に出た。宴会場は少しずつ人が減ってきてはいるものの、まだ宴たけなわといった騒がしさだった。

部屋に向かって歩き出したところで、向かい側からさっき大野さんにベタベタしてた後輩が歩いてきた。


「あっ、大野くんと二宮くん」


彼は俺達のつないだ手にちらっと目をやった。


「二宮くん、大丈夫でしたか?」


にこっと笑って言われるから、低い声で「ああ」って返すと、彼はわざとらしくほうっとため息をついた。


「よかった~。僕、さっき心配になって二宮くん見に行ったんですよ~。そしたら丸山くんとキスしてたからびっくりしちゃって…」


……こいつ…‼︎


胸がきりりと何かに掴まれる感じがした。


見…られてたんだ…


大野さんがこっちを見る気配がしたけど、俺はそいつを見つめたまま動けない。


「無理矢理されてるのかな?って思って心配になったんですけど、二宮くんからも抱きついてたから、別に無理矢理ってわけじゃなかったんですよね?」


「あれは…そんなんじゃないから…」


わざとらしく小首を傾げて聞いてくるそいつに、それだけ言うのがやっとだった。


大野さんが俺とつないでる手に一瞬力をこめる。


この手を離されたら、俺は…


思わず、ぎゅっと握り返して、後輩を見据える。


「お前、さっき寝ちゃってたけど、大丈夫なのか?」


大野さんが後輩に聞くと、嬉しそうな顔になった。


「はい!ありがとうございます。大野さんのおかげで元気になりました!」


…こいつ、絶対全部わざとだよな…


「じゃあ、おやすみなさい」


彼はにこっと笑って、また宴会場へ消えて行った。

大野さんが、俺の手を引いて、無言で歩き出す。目を合わせてはくれないけど、歩きながら手をぎゅっと握るとかすかに握り返してくれるから、胸が苦しくなった。


大野さん…


怒っててもいいから、


何か言って…?