たぶん、時間はあとほんの少し…
もう少しだけ…俺の指で、困ってよ…
俺はニノに向かってニヤリと笑うと、片手を胸においたまま、黙ってニノの下 半 身にもう片方の手を伸ばす。
「んっ…ダメ…翔ちゃ…」
ニノは慌てたように口を手で押さえた。ゆっくりと手を動かすと、ニノは目を閉じて眉根を寄せる。
「んっ…んん…ダメ…声が…」
急速に体温の上がってゆく小さな体が可愛くて、もう一度、耳元へ顔を寄せて甘噛みする。手のひらをニノの体に押し付けるようにしてゆっくり動かすと、ニノは熱い吐息を漏らしながら身をよじった。
ピピピピピピピ…
5分を告げるアラーム音がポケットに突っ込んだスマホからあがって、俺は脱力して、ニノに体重をかけた。
「ちょ、翔ちゃん、重い…」
隣の個室からまたバタンと音がして、2人がなにやら話しながら化粧室スペースを出て行く気配がした。
「はあ…終わっちゃった…」
ニノの両肩に腕をのせて、俺がため息をついたら、ニノがぷっと吹き出した。
「翔ちゃん、さすがに時間通りだね」
だって、これ以上やったら、さすがにやばいよね…
アラームなかったら止まんなかったな…
かけといてよかったー…
眉を寄せてる俺の顔を見ながら、俺の首にニノは両手を回した。ふふっと笑って口角をきゅっとあげる。俺の目をじっと見つめて、囁いた。
「延長…する?」
「え?」
…え、延長って…⁈
思わずごくりと喉を鳴らした俺を見て、ニノはいたずらっぽく笑った。