Side S
ニノはゆっくりと口を開いて、歌うように囁いた。
「いっぷん、え、ん、ちょ、う♪」
「1分かよっ…余計辛いだろ!」
思わずツッコミを入れるとニノはぷはっと吹き出した。自分の肩に乗っている俺の腕をぽんぽんと軽くあやすように叩いて、するりと俺の腕の中から抜け出すと、ニノは個室のドアに手をかけた。
「さっきの…酔って前後不覚だったからだよね、翔ちゃん」
いつもと変わらない笑顔でニノが振り向きざまに俺に言う。
「ん…この後そうなる予定…で、忘れる」
俺が言うと、ニノはドアを開けて体を外へ出しながら、いたずらっぽく微笑んだ。
「忘れなくてもいいよ」
「それは…俺、つらくない?」
「ふふっ…そっか…そだね…じゃ、今度は」
ニノはもう一度、個室の中に体を入れてドアを閉めた。
素早く俺に近づいて、俺の下 半 身に手を伸ばしてそろりとそこに触れる。
「ホントに延長…しちゃう?」
「こっ!こらっニノ…」
「ふふっ…これで共犯ってことで。飲ませちゃって…ごめんね」
ニノは妖しく微笑んで、またドアを開けた。すぐに体を外へ滑り出させる。
ドアがパタンと閉まって、俺は一人になった。脱力して個室の壁にもたれかかる。
はあ…
さっきは、前後不覚になって忘れようって思ったけど…
やっぱ、忘れんのは、
惜しい、よな…
たった5分だけど
俺のだったニノを、
忘れなくてもいいかな…
智くんには内緒にするからさ。
…ねえ、ニノ?
俺は自分の足下へ視線を落として自嘲の笑みをこぼした。
で、いったいどうすればいいのかな?
俺の…この…
『ガッチガチのガッチ』は…
鏡に映るたくさんの俺が俺を見つめる中、俺は深くため息をついた。
やっぱ、延長しとけばよかったかなあ…
終・わ・り・♡
はあ…
さっきは、前後不覚になって忘れようって思ったけど…
やっぱ、忘れんのは、
惜しい、よな…
たった5分だけど
俺のだったニノを、
忘れなくてもいいかな…
智くんには内緒にするからさ。
…ねえ、ニノ?
俺は自分の足下へ視線を落として自嘲の笑みをこぼした。
で、いったいどうすればいいのかな?
俺の…この…
『ガッチガチのガッチ』は…
鏡に映るたくさんの俺が俺を見つめる中、俺は深くため息をついた。
やっぱ、延長しとけばよかったかなあ…
終・わ・り・♡
「延長」したバージョンも書きたいな~…
なーんて( ´艸`)