君のウィンクは星の味 9 | 妄想を文字に変えて〜嵐 大宮小説〜

妄想を文字に変えて〜嵐 大宮小説〜

嵐のニノちゃん、大野さんをイケナイ目で愛でる妄想小説ブログです。

残念ながら、ちょっと腐な感じです。

あくまでも妄想なので、生温かく見守ってくださいませ。








Side O







はあ…



マッチさんひでぇ…



おいらだって…ニノのことハグしたいのに…



ニノがマッチさんから離れたのを確認して、ため息をつく。


「よしっ、まだいっちゃいますか?…王様だーれだっ?」


山田くんの声に促されて、みんなで割り箸を引く。



ん?



見たことない番号…



「あ、おいら、王様だあ」


俺が声をあげると、みんなこっちを見た。


「あれ?リーダー初?」


「うん」


「おーちゃん、大チャンス」


有岡くんがすかさず呟くとみんな笑った。


「大野さん、大チャンスだって…何番…の人に何やってもらう?」


ニノを見ると、彼は笑みを浮かべたまま「何番」を言うときに2回、パチリ、パチリとウィンクをした。


「え、何すっかなあ~」


みんなをぐるっと見回して、ニノに戻ると、ニノは「ホラ、王様、早く」って言いながらまた、パチパチっと2回、ウィンクを投げてよこす。



あれ…



もしかして…



「どうすっかな~」と考えるフリをしながら、首を傾げてもう一度ニノを見ると、割り箸の番号が書かれた部分をぎゅっとにぎって隠したまま、顔の近くで箸を縦に持って、また2回、ウィンクした。



んふふ…



ニノのウィンク、



やっぱ最高だな…



「えっと…王様はぁ…」


「お、王様、『は』?」


俺が口を開くと、皆が驚いたように繰り返した。


「なになに、なんですか?」


「王様は?」


みんなが前のめりで先を促す。


「王様はぁ…2番とぉ…」


そこまで言って言葉を切る。命令を言い終わるまでは誰が何番か言わないルールだから、みんな黙って俺を見つめている。

俺は、興味津々でこちらを見る輪の面々を見回した。

一呼吸おいて口を開く。


「王様は2番と…帰りますっ」



「えっ」

「は?」

「帰る…?」

「どういうこと?」

「2番って誰?」




「俺…2番だよ、王様」




ニノはにこにこして、割り箸の番号を見せるように上にかざして、もう片方の手を俺に向かって伸ばした。

俺はすっくと立ち上がって、あっけに取られる輪の面々の前を通ると、正面に座っていたニノの手をぎゅっと掴んで立ち上がらせる。

ニノのもう片方の手から『2』と書かれた箸がこぼれ落ちた。

ニノは笑いながら、俺の手をぎゅっと握り返してくる。


「…ってことで、王様は2番と帰ります」


「王様の命令なんで…ワタシもお先に失礼しますね」


ニノがマッチさんに素早く短い会釈をした。


そのままニノの手を引いて、あっけにとられたままのみんなの輪を突っ切る。


「わははっ…王様帰っちゃったよ」


「王様ー、国外逃亡してんじゃねーよ」


「大野くんっ…僕も帰りますー」


「ニノは残してってー」


「大野くん、大チャンスー!」


一部意味不明の、やいやいと飛んでくる声を背中に聞きながら、俺とニノは部屋から逃げ出した。