君のウィンクは星の味 10 | 妄想を文字に変えて〜嵐 大宮小説〜

妄想を文字に変えて〜嵐 大宮小説〜

嵐のニノちゃん、大野さんをイケナイ目で愛でる妄想小説ブログです。

残念ながら、ちょっと腐な感じです。

あくまでも妄想なので、生温かく見守ってくださいませ。








Side O







ニノの手を握ったまま店を出て、タクシーを捕まえる。

深夜だからか、大通りだけど人はまばらだ。

ニノを奥に乗せて、タクシーの運転手に行き先を告げる。


車が動き出してからすぐに、ニノの太ももの上に置かれた手と手をつなごうとすると、ニノは一瞬ためらうように運転手の方をチラリと見た。タクシーの薄暗闇の中で、きらきら光るニノの瞳と目を合わせて、また強く手を握る。ニノは目を伏せて、かすかに照れたように笑って、ぎゅっと握り返してきた。


(ね、2番の人)


小声でニノの耳元で囁くと、ニノは思い出したのか、ふふっと笑った。


(王様に…キスして?)


(ここで?)


驚くニノの瞳は、酔っているせいか、いつもより潤んでいる気がする。


(ここで)


(無理だよ)


ニノは困った顔になって、短く言った。チラリと運転手を見ると、変わらず黙々と車を走らせている。


(王様の命令だよ?)


にこっと笑って言うと、ニノは唇を尖らせて、前の運転手を再度確認した。


(…や)


ニノは俺に顔を近づけて、懇願するみたいにかすかに首を振った。


(…後で…帰ったらいっぱいするから)


(いっぱいしてくれんだ)


俺がぎゅっと強く手を握るとふふっとニノが微笑んで、息がかかる。じっと見つめると、ニノもじっと俺と目を合わせる。

もうほとんど、鼻先が触れ合う距離だった。


(ふふっ…も、顔、ちけぇよ…)


ニノはそれを聞くとくすっと笑って、さっきみたいに、2回、素早くウィンクした。



交差点、


行き交う車、



左折、




…ニノの…唇。




ふに、と柔らかい感触が唇をかすめる。体を離すと、ニノは照れたようにそっぽを向いて窓の外に目を向けた。

触れあわせたニノの唇の感触が、一瞬のことなのに、強くそこに残っていた。



キス…なんて、



いつもしてんのに…



…なんで、こんなに顔が熱くなんだろ…



いつのまにかほのかに汗ばんでる手のひらをきゅっと握ると、ニノは窓の外を眺めたままきゅっと握り返してきた。



ああ、



窓の外、眺めたフリしてる



2番のかわいい君に



王様はずっと心奪われてんだよな…



タクシーは夜の街を軽快に走る。


目的地…ニノん家はもうすぐだった。