先生なんて呼ばないで 9-1 | 妄想を文字に変えて〜嵐 大宮小説〜

妄想を文字に変えて〜嵐 大宮小説〜

嵐のニノちゃん、大野さんをイケナイ目で愛でる妄想小説ブログです。

残念ながら、ちょっと腐な感じです。

あくまでも妄想なので、生温かく見守ってくださいませ。








Side N







翔ちゃんと俺、同じ気持ちだったんだ…



あの日翔ちゃんに、「俺が、お前のことどんなに思ってるか、言いたいんだ」って言われて…


俺は嬉しくなって思わず言った。


「じゃ、今…言ってよ」


「ダメ」


「なっ…なんで…」


翔ちゃんは黙って、かたわらの壁にかかったカレンダーの入試の日を指で指した。


「今言ったら、頭の中、いっぱいになっちゃうでしょ?」


「なにで?」


翔ちゃんは眉間にしわを寄せて、言い淀んだ。


「ん…なんだろ…強いて言えばこの場合…お…れ…」


俺はそれを聞いてにこっと笑った。


「ふふっ…そんなのもうとっくにだけど」


「だーめだって、ニノ。俺のことは追い出して。先に合格」


「う…」


「我慢してんの、お前だけじゃないんだからさ…」


ふいっと目を伏せて言われて、胸が早鐘を打つ。


その日から、合格したい理由が一つ増えて、俺は以前にもまして勉強に身を入れた。



受験勉強の最大のカンフル剤は恋かもしれないな…



でも、最大の敵でもあって…



あんなことを言い合ってからも、翔ちゃんは俺に勉強を教える時はいつもの櫻井先生だった。

だから、よどみなく解説してくれる、きりっとした声とか、

俺の回答をチェックしているときの真剣な横顔とか、

帰り際に「しっかり勉強しろよ?」と言いながら優しく笑う顔なんかを、

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翔ちゃんが帰ってから、
何度も何度も、思い出してしまう。


その度に、必死で、
翔ちゃんを頭から追い出した。



受験終わったら、見てろよ…



って誰に言ってんのかわかんないけど…



俺は2週間で、英語だけでも過去問を10年分終わらせて、その日が来るのを待った。











入試の日が来た。


翔ちゃんと下見をしたから、行き方はばっちりだった。朝、駅に向かうと、電車はやはりものすごく混んでいた。えいっと覚悟を決めて、乗り込む。途端に、どどっと奥に押し込まれる。


電車が動き出して、しばらくして、ポケットに入れた携帯が震えた。


混みあった車内でなんとか携帯を取り出して画面を見ると、翔ちゃんからメッセージが届いていた。


『乗った?気をつけてこいよ。つぶされんなよ?』



心配性だな…



これでも男なんだからさ…



『大丈夫。ありがと』


メッセージを返して、つり革をぎゅっと握った。