先生なんて呼ばないで 9-2 | 妄想を文字に変えて〜嵐 大宮小説〜

妄想を文字に変えて〜嵐 大宮小説〜

嵐のニノちゃん、大野さんをイケナイ目で愛でる妄想小説ブログです。

残念ながら、ちょっと腐な感じです。

あくまでも妄想なので、生温かく見守ってくださいませ。








Side N







30分程度電車に揺られ、あともう少しで終点の乗り換え駅に着くという頃、突然、キキーッと音を響かせて、電車が急停車した。


すぐに流れるアナウンス。


「…A駅で車両点検を行っているため、駅に停車できません。少々運転を停止します…」



マジで⁈



余裕を持って家を出たものの、混雑の影響で電車が少し遅れて、その余裕分を食いはじめているなあ、と思っていた矢先だった。



このまま、ずっと動かなくて…



入試…受けられないとか…



それだけは避けたかった。



「受験失敗」となるにしても、ちゃんと受験してから散りたいよ…



俺は天井を仰いで内心祈った。



あー早く動いて…



他の乗客達は慣れているのか、じっと静かに次のアナウンスを待っていた。

不安で、何にもならないことはわかっていたけれど、携帯を取り出して翔ちゃんにメッセージを送る。


『電車止まっちゃった』


『マジで⁈迂回できる⁈』


すぐに、返事が来て、それだけで少しホッとする。


『無理。A駅手前で止まった』


『まだ大丈夫。A駅からは前、一緒に行ったからわかると思うけど、3駅だから。動いたらソッコー乗り換えろ』


翔ちゃんの返信は冷静で、力強くて、電車は止まったままだったけれど、俺の心は少し軽くなった。








20分くらい停車していただろうか。

「発車します」のアナウンスとともに電車が動き出した。

時計を見て、入試開始時間から逆算する。
かなりギリギリだ。


『動いた!今からだとギリだよね』


『絶対にあきらめんなよ?ただし、気をつけて来い。安全を優先しろ』



櫻井先生、難しいこと言うなあ…



諦めないのはもとよりだから、いいけどさ。



電車が駅に着く直前にまた携帯が震えた。車内から押し出されながら、ちらりと目を走らせる。


『B駅で待ってる』



大学の最寄り駅…



状況は何も変わらないけれど、翔ちゃんが待ってる、と思うと、急に、力が湧いてくる気がした。