Side O
「やっ…だっ…」
ふふ、やっぱ、これ、嫌なんだ。
そのまま耳の縁を親指でつーっとなぞってみると、耳だけじゃなくて、頰にもピンク色が差してきた。
「やめっ…ぁ…」
「やめて欲しかったら、トーマ王子との関係教えて?」
「やだっ…」
耳を触っただけで、目をウルウルさせてるくせに、ニノは強く拒否の声をあげる。
「じゃあ、こうすっから」
俺はニノに顔を寄せると、耳にぱくりと噛み付いた。そのまま、耳の中に舌を侵入させる。
「んやっ…やあぁ…」
ビクっと跳ねる体を壁に押し付けて、深くまで突っ込んでは、また入り口までな め上げる。髪とか、ニノの体の香りに離れ難いものを感じて、俺はその場所をしばらく攻め立てた。
「やぁんっ…やだっ…ぁ…」
どうしよ…
男のくせに、
ニノの声、めちゃくちゃ可愛い…
唇にも、
こんな風に触れたくなってきちゃった…
でも…と俺は身を離して、ニノの唇を見た。
薄い、形の良い、ほんの少し尖ったように見える唇。
唇ヲ攻メントキ
噛まれたって、いーよね…
だけど、おいらの本能が、さっきからずっと警鐘を鳴らしてるのにも、おいらは気づいてる。
こいつに口付けたら、
お前がつかまるぞって…
唇ヲ攻メントキ
噛マルル恐レアリ注意セヨ
書物にある言葉が蘇る。
首 筋を指でなぞると、ニノは唇を薄く開けて、吐息を漏らした。俺が手を止めると、潤んでぼうっとした瞳でこっちを見る。
ああ…よくわかんないけど、
書物にある言葉が蘇る。
首 筋を指でなぞると、ニノは唇を薄く開けて、吐息を漏らした。俺が手を止めると、潤んでぼうっとした瞳でこっちを見る。
ああ…よくわかんないけど、
もう、たまんない。
噛まれたって、いーよね…
だけど、おいらの本能が、さっきからずっと警鐘を鳴らしてるのにも、おいらは気づいてる。
こいつに口付けたら、
お前がつかまるぞって…