君の瞳でつかまえて 9 | 妄想を文字に変えて〜嵐 大宮小説〜

妄想を文字に変えて〜嵐 大宮小説〜

嵐のニノちゃん、大野さんをイケナイ目で愛でる妄想小説ブログです。

残念ながら、ちょっと腐な感じです。

あくまでも妄想なので、生温かく見守ってくださいませ。









Side N








『トーマ王子の何なの?』と尋ねる大野さんの声は、さっきより苛立っているように聞こえた。


「なんでもないよ。王子を呼び捨てにするくらい、よくあることでしょ?全国民が王子大好きなんてあり得ないんだから」




どうしよう…



大野さんの手が触れているところが熱くなってきた。ほんの少し、形を持ち始めているのがわかる。



俺の体…あんま、反応すんなよ…



男の手にすぐ反応するなんて、



この人だって、引くに決まってる…




「トーマ王子のこと、嫌いなの?」


邪気のない瞳で聞かれて、俺は用意していた答えを言い淀む。


「き…らいだよっ…城でふんぞり返ってるだけなのに偉そうにしてさ。だから普段、トーマって呼び捨てにしてるだけ」


大野さんは俺の言葉を聞いて、身を離すと、ふふっと笑った。


その柔らかい、ふわりとした笑顔に、胸の奥がツキンと痛む。



ああ、



この太陽みたいに笑う人には、





嘘をつきたくない…





「嘘だな」


大野さんは俺の心を見透かしたように、短く呟いた。


「さっき、トーマ王子が行方不明って聞いた時、ニノは心配そうな顔してたもん。嫌いな人だったら、あんな顔しないでしょ?」


大野さんは、またふふっと笑った後、真剣な表情に戻って、俺の顔に顔を近づけた。


大野さんの香りが、俺を捕らえる。


「行方不明、心配なんでしょ?」


涙が、目から盛り上がってこぼれるのがわかって、俺は思わず手で隠そうとしたけれど、手首につながれた鎖がジャラジャラとなっただけだった。


「ね、ニノ…」


大野さんは、眉を寄せて苦しそうに俺の涙を指で拭った。


その指先が優しいせいで、涙が止まらない。


「し…んぱい…」


俺はしゃくりあげそうになるのをこらえて、途切れ途切れ声を出した。




心配しないわけない。




だって…




俺は…トーマの…




「乳母子(めのとご)だから…」



大野さんの目が見開かれた。













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乳母子(めのとご)については明日以降、
お話の中で(・∀・)