君の瞳でつかまえて 13-2 | 妄想を文字に変えて〜嵐 大宮小説〜

妄想を文字に変えて〜嵐 大宮小説〜

嵐のニノちゃん、大野さんをイケナイ目で愛でる妄想小説ブログです。

残念ながら、ちょっと腐な感じです。

あくまでも妄想なので、生温かく見守ってくださいませ。








Side S







「翔さん…」


「大丈夫ですよ」


安心させるように、背中をぽんぽんと叩く。


「和也様だったら、嬉しいことではないですか」


「だけど…爺さんを殺した王室の…トーマの乳母子なんだよ…もう、あの頃のカズじゃなくなってる…」


王子は、俺の体にぎゅっとしがみついた。潤王子の祖父は、トーマ王子の曽祖父に殺されている。その時から、明確な停戦協定を結ばないまま、西国とは敵対関係となっているのだ。


「まずは…大野隊長の取り調べ結果を待ちましょう」


髪を撫でると、俺の体にしがみついていた王子は顔を上げて、上目でこくんと頷いた。


大人になられたと言っても、この国の王子として、そのプレッシャーは相当のものであろう。



俺は、『ニノ』が和也様であろうとなかろうと、この人を守るだけ…



「翔さん…もうちょっと、ここにいて…?」


色白の頰を少し染めた王子は、弱いところを見せてしまって恥ずかしいのか、ぷいっと横を向いた。でも、その腕は俺の腰にしっかりと巻きついていて、俺はぷっとふき出した。


「わ、笑うなって」


「ふふ…夜にある軍の会議までは、ここにいられますよ…」


俺は王子を立ち上がらせると、そのまま傍の寝台に共に倒れこんだ。


「翔さん…」


俺の下で、うっとりと俺を見上げる王子に、キスをする。


「王子…」


「やだ!名前で呼べってば」



いつもより、このおねだりが早い。



でも、それほど、不安でいらっしゃるんだろう…



トーマも行方不明だし…



俺が…この方の不安を取り除いてさしあげたい…



完璧を目指す職人に精巧に作られたような、美しい顔の青年に口付けて、そのきらびやかな衣服を取り去っていきながら、何度も、潤、と名前を呼んだ。