改めて服を身につけてから、大野さんはふたりの手首をつないだ。カチ、と鍵をかけて、大野さんは照れくさそうに微笑んだ。
扉を開けて、外に出た。
長い廊下を歩いて、広間とやらに近づいていく。
大野さんは、当たり前のように、手 錠をはめた手を俺の指と絡ませた。
きゅ、と握り返すと、また、きゅ、と握り返されて、くすぐったい気持ちになった。
もう、牢屋番と捕虜じゃない。
こういうの、なんていうんだっけ。
共犯関係…ってやつ?
ふふ…と思わず笑みを漏らすと、大野さんは廊下の曲がり角の直前で立ち止まって、周りを見回した。
誰もいないことを確認すると、大野さんは素早く俺にちゅっとキ スをして、また照れくさそうに微笑んだ。
「この角を曲がったら、捕虜と牢屋番だからね」
ちゅっ、とまた、キ スをする。
「また、赤くなっちゃった」
大野さんは俺を見て笑いながら呟いた。
「ダメだよ、キ スしたの、バレちゃうから」
顔が熱いのが自分でもわかって、俺は恥ずかしくて、黙ってこくんと頷いた。
大野さんはそれを見て満足気に頷くと、身を翻して歩き出した。慌てて隣に着いて歩くと、また手をぎゅっとつながれる。
だから、どこの世界に、捕らえた捕虜と手をつなぐ牢屋番がいるんだっての…
大野さんは、当たり前のように、手 錠をはめた手を俺の指と絡ませた。
きゅ、と握り返すと、また、きゅ、と握り返されて、くすぐったい気持ちになった。
もう、牢屋番と捕虜じゃない。
こういうの、なんていうんだっけ。
共犯関係…ってやつ?
ふふ…と思わず笑みを漏らすと、大野さんは廊下の曲がり角の直前で立ち止まって、周りを見回した。
誰もいないことを確認すると、大野さんは素早く俺にちゅっとキ スをして、また照れくさそうに微笑んだ。
「この角を曲がったら、捕虜と牢屋番だからね」
ちゅっ、とまた、キ スをする。
「また、赤くなっちゃった」
大野さんは俺を見て笑いながら呟いた。
「ダメだよ、キ スしたの、バレちゃうから」
顔が熱いのが自分でもわかって、俺は恥ずかしくて、黙ってこくんと頷いた。
大野さんはそれを見て満足気に頷くと、身を翻して歩き出した。慌てて隣に着いて歩くと、また手をぎゅっとつながれる。
だから、どこの世界に、捕らえた捕虜と手をつなぐ牢屋番がいるんだっての…
ふたりをつなぐ鎖が、歩むたびにジャラジャラと音を立てたけれど、俺には昨日までとは違う響きに聞こえた。
もうちっとも、耳障りなんかではなかった。
長い廊下の突き当たりに、広間に繋がる大きな扉が見えてきた。