君の瞳でつかまえて 31 | 妄想を文字に変えて〜嵐 大宮小説〜

妄想を文字に変えて〜嵐 大宮小説〜

嵐のニノちゃん、大野さんをイケナイ目で愛でる妄想小説ブログです。

残念ながら、ちょっと腐な感じです。

あくまでも妄想なので、生温かく見守ってくださいませ。







Side N







改めて服を身につけてから、大野さんはふたりの手首をつないだ。カチ、と鍵をかけて、大野さんは照れくさそうに微笑んだ。


扉を開けて、外に出た。


長い廊下を歩いて、広間とやらに近づいていく。


大野さんは、当たり前のように、手  錠をはめた手を俺の指と絡ませた。


きゅ、と握り返すと、また、きゅ、と握り返されて、くすぐったい気持ちになった。



もう、牢屋番と捕虜じゃない。



こういうの、なんていうんだっけ。



共犯関係…ってやつ?



ふふ…と思わず笑みを漏らすと、大野さんは廊下の曲がり角の直前で立ち止まって、周りを見回した。


誰もいないことを確認すると、大野さんは素早く俺にちゅっとキ  スをして、また照れくさそうに微笑んだ。


「この角を曲がったら、捕虜と牢屋番だからね」


ちゅっ、とまた、キ  スをする。


「また、赤くなっちゃった」


大野さんは俺を見て笑いながら呟いた。


「ダメだよ、キ  スしたの、バレちゃうから」


顔が熱いのが自分でもわかって、俺は恥ずかしくて、黙ってこくんと頷いた。

大野さんはそれを見て満足気に頷くと、身を翻して歩き出した。慌てて隣に着いて歩くと、また手をぎゅっとつながれる。



だから、どこの世界に、捕らえた捕虜と手をつなぐ牢屋番がいるんだっての…



ふたりをつなぐ鎖が、歩むたびにジャラジャラと音を立てたけれど、俺には昨日までとは違う響きに聞こえた。



もうちっとも、耳障りなんかではなかった。



長い廊下の突き当たりに、広間に繋がる大きな扉が見えてきた。