BL妄想です
苦手な方はご注意くださいませ
Side N
両手で頰を挟み込んで、額をくっつけて言うと、大野さんは顔をしかめた。
「だって……そりゃ…」
綺麗なアーモンドの形をした瞳が、困ったように俺を見つめた。
ねぇ、もっと俺を欲しがってよ。
俺の欲しいものをくれたら、
いくらだって、
俺を、あげるからさ。
俺は額を離して、にこっと笑った。大野さんは少し怒ったように俺を見つめて言った。
「お前んこと…好きだからに決まってんだろ?」
ああ…
どうしよ。
自然と頰が緩んだ。
テレビの中の『好き』なんか、どっかいっちゃうね…
俺は、体を膝立ちのままの大野さんにぴったりとくっつけた。
「うあぁっ」
熱い大野さんの体がびくびく震えて、大野さんは俺の肩に頰を預けた。
「ダメ、ニノ…さわらしてくんねぇと…おかしくなりそ…」
ぎゅっと寄せられた眉、切なく動く喉仏、切羽詰まったような、吐息交じりのかすれた声。
俺を求める大野さんの全てに、胸の奥が高鳴った。
「じゃあ、ね…」
俺は大野さんの後ろ手に縛った手首のネクタイの、ベ ッドにつなげた方をそっと外した。
「動けるようにしたげる」
「これだと…さわれねぇじゃん」
俺は大野さんの首に両腕をゆっくりと回して、目を細めた。
「手、使わないで、俺に…大野さんが欲しいって思わせて?」
大野さんの瞳が野生に支配されたみたいに、鈍く光った。