Turbulence 1 | 妄想を文字に変えて〜嵐 大宮小説〜

妄想を文字に変えて〜嵐 大宮小説〜

嵐のニノちゃん、大野さんをイケナイ目で愛でる妄想小説ブログです。

残念ながら、ちょっと腐な感じです。

あくまでも妄想なので、生温かく見守ってくださいませ。








ー 乱気流。



夜間飛行の暗い機内に、シートベルト着用サインが灯る。間も無く、激しい上下の揺れが始まった。


俺は膝にかけた毛布の上で手をぎゅっと握りしめた。



自分でも子供だな、と思うけど



揺れるの、ちょっと怖いんだよね…



あてがわれた座席の隣は空席だった。



隣に誰か



例えば、リーダーとか、



いてくれればよかったのに。



俺たちは、急遽降ってわいた、『 南国の島で写真集の撮影を行う 』という目的のため、東京からはるかかなた、南の島ゆきの飛行機に乗っていた。


マネージャーが割り振った、窓際の俺の席の右隣は空席だった。通路を挟んで、リーダーの座席。リーダーの隣がJで、俺の後ろに相葉さんと翔さんがいるはずだ。



みんな眠ってしまっているのか、機内は静かだ。

時折上下に揺れる機体のたてる音と、体ががくん、と下に落ちる感覚に、落ち着かない。


…と、通路を挟んだリーダーの席から、人がごそごそと立ち上がった。そのまま、通路を後ろへ歩いていく。



トイレかな…



リーダー、今立ったらダメなんだよ。
ベルトサインついてるだろ。



こんな揺れてんだから…



声をあげたかったけれど、後ろを振り向いたら寝こけている翔さんの顔が見えて口をつぐむ。


程なくして、大野さんは戻ってきて、機体の揺れにふらふらしながら座席に戻ろうとした。



危なっかしいなあ…



飛行機の中じゃなきゃ、







俺が、支えてあげられるのに。







じっと見つめていたら、やっと座席に収まって、シートベルトをごそごそと探す大野さんと目があった。

そのとたん、大野さんはぷっと吹き出して、シートベルトを探す手を止めて、立ち上がった。



慌てて、「座ってろよ」と言いかけたとき、機体はまた大きく揺れて、通路に立ち上がっていた大野さんは、ぐらりと大きく倒れて、俺の隣の空いた座席に滑り込んだ。


「あっぶな…バカ、座ってろよ」


「ふふ…そうだね、座ってる」


大野さんがいたずらっぽい笑みを浮かべて俺の隣の席でシートベルトを探そうとするから焦った。


「ダメだって、リーダー、自分の席じゃないと」


「や、揺れてっから…にのの隣の方がいいかなって…」


大野さんはそう言うと、見つけ出したシートベルトをカチンと締めて、座席に深くもたれた。



それは…



どういう意味なんだろう。



大野さんの顔を見つめると、気づいた大野さんは俺を見てニコッと笑った。


「揺れてんの、怖いでしょ」



首を横に振ることは、



簡単…なはずだったのに。



大野さんの顔を見ながら、俺は、なぜか、こくっと頷いてしまった。


ふ、と笑う大野さんの声にはっと我に帰って、顔が熱くなる。


「いつも、おいら達、隣に座ること多いのにね」


「そうですね」



そっか…



もしかしたら



大野さんが隣じゃないから





こんな、怖かったのかな。





そのとき、またがくん、と機体が大きく揺れた。


咄嗟に、俺が大野さんに向かって差し出した手を、大野さんはさも自然なことのようにぱっと掴んで、ぎゅっと握った。


「大野さん…」


「揺れが収まるまで、ここにいる」


俺の手を握ったまま、大野さんは毛布を自分の膝にかけた。