君を瞳にとじこめて 1 | 妄想を文字に変えて〜嵐 大宮小説〜

妄想を文字に変えて〜嵐 大宮小説〜

嵐のニノちゃん、大野さんをイケナイ目で愛でる妄想小説ブログです。

残念ながら、ちょっと腐な感じです。

あくまでも妄想なので、生温かく見守ってくださいませ。


「君の瞳でつかまえて」の番外編です。

本編の説明などを、ひとつ前のこちらの記事にて書いております


以降、お話はBL妄想となります
苦手な方はご注意くださいませ



















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Side N






「カズ…ただいま」


大野さんの声がしたような気がした。



今、城にはいないはずなのに…



夢…?



俺…寝たんだっけ?



西国から持ってきた酒の瓶をあけたような記憶だけあった。


「カズ…」


ふわあっと笑う大野さんの姿は、白い背景に溶け込んで消えてゆく。



やだ…



ここんとこずっと、会えなくて…



すごい寂しかったのに…



また行っちゃうの?



「…和也様…」


まどろみの中、また、名前を呼ばれる感覚がした。



大野さん…?



…戻ってきたの?



「…和也様…」



やだ…



ふたりのときは、『様』なんかつけて呼ぶなって…いつも言ってんのに…



「様…やだ…」


ふわふわしたまま、かすれた声で絞り出すように呟いた。


「…和也…カズ…」


「ん…大野さん…」


名前を呼ばれると同時に肩を揺らされる。俺は自分の肩を掴む腕を抱き寄せた。ぎゅっと抱きしめる。


「あの…和也様…」


「戻ってきたの…?」



あれ…なんか…抱き心地…違う…



「ニノ…おまっ…」



あれ?



大野さんの声が少し離れたところから聞こえた。


「ん…」


眠い目をこすりながら目を開けると…俺が抱きしめていたのは


「涼介っ…」


「おはようございます」


ニコニコと満面の笑みを浮かべる小姓の涼介だった。


「ニノ…おまっ…何浮気してんだよ」


焦ったような、非難するような大野さんの声が聞こえて、そちらを見ると、きちんと軍の制服を着た大野さんが寝室のドアを開けて、唇を尖らせてこちらを見ていた。


「あ…ちが…間違えただけ…」


慌てて起きあがる。

涼介は目を細めて、ふふっと笑うと寝台をおりた。


「今日の朝礼は月イチの全軍招集だから早いんですよ」



…そうだった。



昨日まで3日間、大野さんが王室付きの植物研究所の野外調査に駆り出されて、会えなくて…



昨夜は寂しくなって、つい、西国から持ってきた酒を飲み過ぎてしまった。

大野さんはつかつかと寝台に近寄ってきた。


「今、こいつと抱き合ってたろ?」


大野さんの唇がむうぅととんがって、眉が寄った。


「ごめ…あの…大野さんだと思って…」


大野さんはばっと涼介の方を向いた。


「なんで俺とこいつ間違えんの?」



…だって…



和也って呼ばれてつい…



「ふふ…和也様は寝ぼけていらっしゃったんでしょう」


涼介がニコニコ笑って俺をかばうように言うと、大野さんはますますしかめっ面になった。


「さあさあ、早くお支度しないと間に合いませんよ」


ニコニコしたままの涼介は、俺と大野さんを遮るように間に割って入ると、手に持っていた俺の服を寝台に置いた。


「さ、僕一旦お部屋を出ますから大野さんも出てください」


「やだ!ニノの着替えんの見てる」


頰を膨らませた大野さんが、駄々っ子みたいに椅子に座ったけれど、涼介はさらりと言った。


「ダメです。大野さんがいると和也様の着替えがなかなか終わりませんから」


言われるなり、先日の朝のことを思い出して顔が熱くなった。大野さんも同じなのか、真っ赤になった。


「あれは…その…ニノが可愛くて…」


「可愛くて盛り上がってしまったと」


涼介は呆れたように笑うと、大野さんを促してドアへ歩いて行った。


「さ、早くお支度してくださいね、和也様」


ニコッと笑う涼介と対照的に、大野さんはふくれっ面だった。



どうしよう…



せっかく久々に会えたのに…



怒っちゃったかな…