あの日吹いた風の色を僕は 5 | 妄想を文字に変えて〜嵐 大宮小説〜

妄想を文字に変えて〜嵐 大宮小説〜

嵐のニノちゃん、大野さんをイケナイ目で愛でる妄想小説ブログです。

残念ながら、ちょっと腐な感じです。

あくまでも妄想なので、生温かく見守ってくださいませ。


BL妄想です
苦手な方はご注意くださいませ



























Side O





ぐったりとベッドに沈み込むニノが、脱ぎ捨てたバスローブを手繰り寄せて体にかけた。


「寒い?閉めよっか」


「いいよ…そのままで…」


ニノは、ベッドから起き上がりかけた俺の腕をつかんで止めた。俺は再びニノの隣に寝転んだ。


「風、気持ちいいもん」


ニノは俺に背を向けて横を向き、片手で頬杖をついて、吹いてくる風に目を細めた。ニノの背中側から、窓の方を見ると、ひとつになった名残で、ピンク色に染まったままのニノの耳が眼に入る。


バスローブのかかっていない肩は小さくて、俺は後ろからニノを抱き締めた。


「もっかいすんの?」


「…あとでな」


「ふふっ…あとでするんだ」


面白そうに小さく笑うニノは、おいらの腕の中で寝返りを打って、おいらの方を向いた。


「あの…さ」


「なに」


「ニノは…やめたくなったことねぇの?」


ニノはくすっと笑った。


「今さらそんなこと聞くの」


「や…どうだったのかなって…」


ニノはいたずらっぽく微笑んだ。


「辞めたら…あなたと一緒にいられないじゃない」


「へ?」


ニノはきらきらした瞳で、唇をきゅっと結んでおいらをじっと見つめた後、


「冗談だよ。それだけじゃないから、もちろん」


と素早く言って、顔をおいらの胸に埋めた。



ふふ…



耳、真っ赤になってる…



髪を撫でると、ニノはしばらくじっとしていたけれど、急に顔をあげて、さみしそうに笑った。


「あなたはきっと…生まれかわったら嵐以外のこと…してんだろうね」


ニノは手を伸ばしておいらの頰をそっと撫でた。


「生まれ変わったらさ、イラストレーターとかしたらいいよ」


ニノはニコッと笑って言った。けれど、その瞳に寂しげな色がにじむ。


「だからね…今生だけは、嵐でいてね?」


「こんじょう?」


「今の人生ね」


おいらは、ニノがおいらの頰に向かって伸ばした手をきゅっと握った。


首を振る。


「たぶん…おいら生まれ変わっても、また同じだと思う」


頭にはてなマークを浮かばせたようなニノの髪を、また撫でる。


「よくわかんないうちに嵐でデビューして…辞めたいって思ったりして…でも、ふっきれたりして」


「ふふっ…そうなの?」


「うん」


おいらは大きく頷いた。


「だって…お前は、生まれ変わっても絶対、嵐になるだろ?したら、おいらも嵐でいなきゃ…」


ニノの見開かれた瞳の色がどんどん変わっていく。


「お前のそばにいられないんだろ?」


ニノは雫がこぼれ落ちる瞬間に、おいらの胸に再び顔を埋めてしまった。


「なにそれ…も…プロポーズみたいだから…やめてよ」


「んふ…プロポーズみたいなもんだろ」


ニノは顔をあげたけれど、その顔はどんどん赤くなっていった。


「バカ…もっ…ぁ…」


なじる言葉を口にするニノの顎をすくって、唇を塞ぐ。



バカ…は、ニノだって、そうじゃん。



ニノだって、



すげぇ、泣き虫なくせに。



「ふふっ…やっぱりまた泣いてんじゃん」


涙でキラキラした瞳になったニノが、唇を離すとおいらを見て、いたずらっぽく笑った。


「これは、もらい泣きだもん」


そう言うと、ニノは涙を拭かずに、ふふっと照れくさそうに笑った。


「よし、プロポーズも終わったし、もっかいすっか」


「へ?…あっ…」


おいらはベッドの上でニノをころんと仰向けに転がして、またその上に重なった。


「まだ泣いてるじゃないすか」


おいらはニノの濡れた頰に口づけた。


「いいんだよ。風が…さ」


おいらは言い終わるのを待てずに、ニノの唇を塞いだ。





風が、





乾かしてくれっからさ。





唇を離して、風に吹かれたニノの前髪を掬ってやると、ニノは目を閉じて、本当に、満たされたように微笑んだ。













-おわり-