苦手な方はご注意くださいませ
Side O
ニノ、あんま寝てねぇのかな…
リハーサル中、ずっと気もそぞろだった。
おいらの…せいかもしんない…
ニノが元気になったら、ちゃんと話そうと心に決める。
お前のことがホントに欲しくて…だから、いろいろと教えてもらうためにあそこにいたんだって。キツイこと言って悪かったって。
皆が楽屋に帰ってから、俺だけ確認することがあって別の控室でスタッフと話し込んでいると、「リーダー!」と叫びながら松潤が血相を変えて部屋に飛び込んできた。後に翔くんも続いている。
「リーダー、ニノがっ」
「智くんっ…ニノが…」
ただならぬ様子の2人に俺もスタッフさんも席を立つ。
「何…ニノどした⁈ 」
ニノに何かあったら、って考えが頭をよぎると胸の奥がぎゅうっとつかまれるような気持ちになった。
「何て言ったらいいんだろ…あれ」
「見た方が早い、来て」
翔くんは俺の腕を掴んで、廊下へ飛び出した。
「無事ってこと?」
廊下を小走りで進みながら俺が聞くと、「無事は無事なんだけど…」と困惑した翔くんの声が返ってきた。
楽屋のドアを開ける。ソファの上に膝を抱えて座るニノと、側に相葉ちゃんがいた。ニノは涙を流している。
「ニノっ…大丈夫か⁈」
ニノはいきなり入ってきた俺たちを見て、しばらく目を見開いたまま固まった。
その瞳から、涙がポロポロこぼれ落ちる。
「だれ…?かお、こわい…ふえぇ…」
丸めた拳で目を押さえるニノの肩を相葉ちゃんが慌てた様子で「ニノちゃん!大丈夫だよ」となだめた。
…な…に…これ…
言葉を失う俺に、翔くんと松潤は神妙な顔つきで、「わかった?」とも言いたげな視線をよこした。
「ど…どういうこと?」
相葉ちゃんがこっちを振り向いて言った。
「松潤の顔が怖いって」
「そういうことじゃねーだろ!」
「ふえっ…こわいよう…」
「あ…やべ」
相葉ちゃんの言葉に松潤がツッコミを入れたとたん、声に驚いたのか、ニノはまた泣きじゃくりはじめた。
「もしかして子供…になってる?」
半信半疑だけどおそるおそる聞くと、翔くんと松潤が神妙な顔つきで頷いた。
「しかも、俺らのことがわからなくなってる」
「マジで…何かしたの?」
ニノの周りを見ると、松潤に貰ったのか、ソファの前のローテーブルに褐色の小瓶が置いてあった。
「それが…わかんなくて…これを飲ませて、ニノは寝て…帰ってきたらこうなってた…」
小瓶を手の中でもてあそんでいた松潤の視線が小瓶に貼られたシールで止まった。
「げ!」
「何?なんかあった?」
みんなで松潤の手元を覗き込むと…
小瓶に貼られたシールには、
〜童心にカエール〜
「だれ…?かお、こわい…ふえぇ…」
丸めた拳で目を押さえるニノの肩を相葉ちゃんが慌てた様子で「ニノちゃん!大丈夫だよ」となだめた。
…な…に…これ…
言葉を失う俺に、翔くんと松潤は神妙な顔つきで、「わかった?」とも言いたげな視線をよこした。
「ど…どういうこと?」
相葉ちゃんがこっちを振り向いて言った。
「松潤の顔が怖いって」
「そういうことじゃねーだろ!」
「ふえっ…こわいよう…」
「あ…やべ」
相葉ちゃんの言葉に松潤がツッコミを入れたとたん、声に驚いたのか、ニノはまた泣きじゃくりはじめた。
「もしかして子供…になってる?」
半信半疑だけどおそるおそる聞くと、翔くんと松潤が神妙な顔つきで頷いた。
「しかも、俺らのことがわからなくなってる」
「マジで…何かしたの?」
ニノの周りを見ると、松潤に貰ったのか、ソファの前のローテーブルに褐色の小瓶が置いてあった。
「それが…わかんなくて…これを飲ませて、ニノは寝て…帰ってきたらこうなってた…」
小瓶を手の中でもてあそんでいた松潤の視線が小瓶に貼られたシールで止まった。
「げ!」
「何?なんかあった?」
みんなで松潤の手元を覗き込むと…
小瓶に貼られたシールには、
〜童心にカエール〜
童心に帰って美味しく飲める栄養ドリンクです。飲用すると寝不足や疲れをすぐに吹き飛ばして、子供のような無尽蔵の体力と好奇心を取り戻すことができます。本格的な成分を使っているため、稀に、飲用後幼児退行の兆候が発現することがございますが、数日で戻る一時的な症状ですのでご安心ください。
と、小さな小さな文字で記載されていた。
俺たちは顔を見合わせて「えーっ」と叫びながら、ニノを振り返った。ようやく泣き止んでいたニノは、その声に驚いたのか、また泣き出した…。