Sakura 33 | 妄想を文字に変えて〜嵐 大宮小説〜

妄想を文字に変えて〜嵐 大宮小説〜

嵐のニノちゃん、大野さんをイケナイ目で愛でる妄想小説ブログです。

残念ながら、ちょっと腐な感じです。

あくまでも妄想なので、生温かく見守ってくださいませ。


BL妄想です
苦手な方はお気をつけくださいませ













「着いたぜ」


前を行く籠から潤が降りてくるのが見えて、和も籠からおりた。潤はふたりの護衛として、草津までの旅路を共にしてくれたのである。和が智の籠に近寄ると、長旅の疲れからか、智は眠っていた。


「大野さん…着いたよ…翔様の御親戚のお宿だよ」


和の声に覚醒した智は、肩の傷に一瞬顔をしかめながら籠をおりた。













宿主達にはあらかじめ翔からの文が届いており、和と智はすぐ離れの部屋に通された。この時代としてはたいそう贅沢なことだが、部屋には縁側から広がる庭園と、露天風呂の設えがあった。


「風呂あんだ…」


「すごいね…」


二人はあっけにとられて部屋の縁側に並んで立って庭園と露天風呂を眺めた。


「ふふ…じゃあ俺は江戸に戻るわ」


「え…もう?」


二人を後ろから眺めていた潤は、立ち上がってにやりと笑った。


「一応、京都で仕掛かり中の仕事もあるし…お前さん達は智さんの傷が治るまでいていいんだろ?したら、ゆっくりできるね」


「潤さん…」


翔の弟弟子である潤を、和は「潤さん」と呼んでいた。和にとっては、武器の使い方を一通り教えてくれた忍びの先輩である。


「んな顔すんなよ。またすぐ会える」


心細そうな顔をした和の頭を潤はわしゃわしゃと撫でた。


「相葉さんとこで…また一緒に飲みたいです」


「うん、治ったらな」


潤は笑って、智に向き直った。


「智さん…強くて驚いたよ。俺ももっと頑張んなきゃ」


「そんな…俺は…」


智は首を振った。


「いや、あんたは強い。本当は…」


(翔さんのそばにいて、あの人を助けてやってほしい…)と、潤は口に出しかけた。しかしやめた。お互いを気遣うように寄り添って並ぶ二人を見ていたら、言い出せなくなったのである。


「いいや…じゃ行くわ。二人とも本調子じゃないんだから、あんまりお盛んにならないように」


「なっ」


荷物を素早くまとめた潤が、廊下に出ながら話す内容に、二人は真っ赤になった。


「ふふっ…ほどほどにね」


潤は気障に片目をばちりと閉じると、にやりと笑って、部屋を出て行った。


「もう、潤さん…」


「んふふ…」


耳まで真っ赤に染まった和を、智はそっと抱き寄せた。