BL妄想です
苦手な方はお気をつけくださいませ
「だって…あなたは忍びをやめる。絵師になるんでしょ?」
「…ああ」
和はにこっと微笑んだ。
「したら、俺は忍びやめて…あなたと一緒に暮らす…」
「和…」
「それが、俺にとって、あなたと一緒に生きてくってこと」
「か…」
和は驚いて言葉の出ぬ智に顔を寄せた。
「それに…翔様の役に立つ手段は…忍びでいることだけじゃない…」
そう囁くように言うと、和はいたずらっぽく笑い、手を握り合ったまま智の唇に自分の唇をそっと触れ合わせた。和の熱い 舌 が 智の 唇 を開いて、中へ忍んでゆく。
「っ…ん…」
和、と智は内心叫んだ。そして和の背に腕を回して、力強く抱き寄せた。
「あなたの…家族に…して?」
乱 れかけた息の合間に、和が小さく囁く声に、智は頷くと和を抱く腕により一層力を込めた。くちづけはやがて頰に、耳に、首 筋 へと場所を変えてゆく。
「お…のさん?」
さっきしたばかりなのに、と和は笑いを噛み殺しながら智を見つめた。
「さっきは…家族になる前だったから」
智は、自分でもわかっているのか、少し甘えた口調で、口を尖らせながら言い、和をそっと布団の上に横たわらせた。
「こんながつがつしなくたって…一緒に住んだら毎日でもできるのに…」
和はくすくす笑いながら、覆いかぶさってくる智の髪を撫でた。肩の傷をかばうせいで智の体は少し傾いている。
「毎日すんだな?言ったな?」
「ふふ…俺体もたないよ」
くすくすと笑い続ける和は幸福そうで、智は自分の体に自然と力が満ちてくるのがはっきりとわかった。それは、これからの人生を和と生きるために、智の内側から溢れてくる力なのだ。
「ずっと一緒な」
智がもう一度くちづけをする瞬間、和の瞳はきらきらと揺れ、そして潤みを残したまま細められた。