終業式の日は帰るや否や一目散にランドセルを家中に放りこんでは急いで近くの川へと向かった


キラっキラっと光る小さなフナたちを
ひたすらみるのが大好きだった


網なんてお洒落で便利なものは中々買ってもらえなかったもんだから
リリーの缶詰めのカラ缶を網代わりにしては
無我夢中に魚を捕まえて遊んだ
日が暮れるまでとにかく遊んだ


空には一番星が輝き出して
魚がみえなくなり
名残惜しいながらも渋々家中へと入った
首の後ろが真っ黒に日焼けをしてた


………
チリンチリンとオジサンが自転車でお豆腐を売りにきていた
ナゼか玉子豆腐が苦手だった
ついでにいうとトマトも嫌いだった
むしろ何がいいか当時は分からなかった


しかし口中に放り込んでは
口をモグモグさせながら
空き缶持ってまた川へと出かけた


いちにのさん!
で振りかぶるとなんと!
小さなナマズが獲れたではないか!
凄い収穫だ!


急いで家に帰り
海苔の入ってた大きな空き瓶にナマズをうつした


ホクホクとした顔で小さなナマズを見ては嬉しくなったもんだ


時にはドジョウ
時にはメダカ
時にはレアな熱帯魚みたいなものも獲れた


家中からは時折ワァー!っと聞こえる甲子園の野球中継を耳にしながら夕方暗くなるまで魚とりに励んだ


そんなことを思い出しながら
珈琲をひと口またひと口飲みながら思い出がほろほろ出てきた
ウンジュウネンも昔の話^^