最近観て随分と余韻が長引いている映画はこれ。


【花束みたいな恋をした】



最初、予告編を観た時に流れる曲と雰囲気とキャストとスタッフともう全部が魅力的で

公開したら絶対に映画館で観ようと決めていたくせに、何故か熱が冷めてしまって観てないままだったんだけど


先日ふらっと空いた時間に突然観たい衝動に駆られ、映画館へ。


もうそろそろ終わりかけだし、夜だし、人も全然いなくて見入るには完璧な状況だったのもあるんだけど

とにかく思っていたより好きで、じんわりと沁みた。


序盤は大学生らしい若さ特有のキラキラとした感じがどこかむず痒くて、軽い気持ちで観てたのに

社会人になって、少しずつ関係が変化していって、さかむけみたいな少しの傷が増えていく感じに

ぐーっと惹き込まれて気付いたら泣いてた。


ぽつぽつとそんなシーンがあったり、他愛もない日常とかすれ違いとか喧嘩とか

恋愛して人と付き合っていけば必ず通るような何気ないものなんだけど

それが本当にリアルで、だからこそなんか色々な事を振り返ってしまいたくなって


この映画はそこそこ大人になった今だからこそ良かった気がした。

20歳そこそことかで観てたらこんなに心動かされてない。多分。



一つ一つの台詞も、シチュエーションも、空気感も、表情も、声色も、場所も、全てが好きだった。



こういう恋愛を軸にした社会人としての生活、みたいな物語ってこれといって展開はないし
あっても先が読めるけど
でも観ちゃうし、やっぱり好き。


自分のことだと、その時は何気なく通り過ぎてしまうわけで、そこを過ぎた後にこうして映画だったり小説だったりで客観的に見ると、とんでもなくきついなと思う。


こんなことを繰り返しながら生きていくのしんどいし疲れるしめんどくさい。
恋愛って本当に労力使うと思う。
そんなこと昔は考えたこともなかったけど。
それでもまた結局あっさりと次の恋愛するんだから人間って面白いよなぁ〜


それにしても、観終わってから最後のファミレスのシーンのことで知り合いに聞いた話がまた私の余韻を長引かせる。

あのシーンが一番だった。

人の涙見てあんなに自分も同じくらいの気持ちで泣けたの久しぶり。


結局、良い時は一瞬で
ずっと続くものなんて無くて
もしあったとしても最初の頃みたいにキラキラしていることなんてほとんど無くて
それもどちらが悪いとかではなくて
いや、悪い場合ももちろんあるけど
ほとんどは慣れとか飽きとか環境の変化とかがあって


価値観が同じことに嬉しさとか特別感を感じていたのに
それでも上手くいかなかった経験のある大人は
違うということをお互いがどれだけ許して付き合っていけるか、に変化していく。


勢いとか楽しいとか面白いとか好きとか

そんな感情だけでキラキラと恋愛できるのなんて若さの特権だよなぁ〜


なんてことを言い始めてしまう私はもう面白くない大人になってしまったなぁ〜


とも思うけど、どこかに置いてきてしまったような新鮮な気持ちを取り戻すためにも


こういう恋愛ものの映画はやっぱり定期的に観たいなぁと思いました。