衣装も手に入れて

ボイトレもして臨んだ「いきなりLIVE」

 

 

いろんなことにモタモタしていた私は

当日に予定が合うヘアメイクさんを見つられず

 

 

 

当日はセルフメイクで

ヘアセットだけしてもらって行った。

 



 

 

ライブハウスについた頃には

すでにリハーサルが始まっていて

 

 

 

サレンダーメンバーのジャスミンさんが歌っていた。

 

 

 

知らない人のために言うと

彼女の選曲はライオンキングの「circle of life」だ。

 

 

 

曲の入りからズールー語を叫ぶあれだ。

(大西ライオンのあれ)

 

 

 

 

 

 

ナーンツィゴンニャー
マバギィー ツィババー
スチホォーン ゴンニャーマー

 

 

 

大真面目にジャスミンさんが叫んでいる。

 

 

 

 

 

 

緊張していたはずなのに、笑けてくる。

(ほんとやめてwww)

 

 

 

ジャスミンさんが歌った後

そのまま私がリハすることになった。

 

 

 

ん・・・早くね?

 

 

 

私、来たばっかりですけども。

(とは言えない)

 

 

 

洋服もそのままにステージに立ってみると

 

 

 

こ、これは・・・

 

 

 

ヤバイかもしれない・・・

 

 

 

ということに気づく。

 



 

観客はまだ入っていないものの

音響には人もいるし

サレンダーメンバーやダンサーの人も見ている凝視

 

 

 

南城さんの旦那さんのけいちぇるさんも

ルミさんの旦那さんのトオルさんも

めちゃめちゃ見てる凝視凝視

 

 

 

そして、happyちゃんにいたっては

監督のようなポジションで、座ってガン見だ凝視凝視凝視

 

 

 

・・・・無気力無気力無気力

 

 

 

(この感じ、察して)

 

 

 

歌うことが好きだ。

 

 

 

歌手になりたいと夢見ていたほど好きだ。

 

 

 

でも、オーディションを受けたこともなければ

バンドをしていたわけでもない。

 

 

 

こんな風にステージで歌ったことは

今まで一度もない。

 

 

 

人前で歌うことはせいぜいカラオケ止まりだ。

 

 

 

完全に思考停止。

 

 

 

もう本当にうまくやろうとか

そんなことも考える余裕もないほどの思考停止。

 

 

 

ど、ど、どうしよう・・・

(心の準備ができてなかった人の反応)

 

 

 

それでも曲は流れ始めるわけで

 

 

 

ステージの上で私は 

 

 

 

ただ全力で歌うことしかできなかった。

 

 

 

正直、歌っている時の記憶はほとんどない。

 

 

 

自分の歌をどう思われるのか

現実を直視するのが怖い

 

 

 

こんなバラードを全力で歌って

キモイって思われる?とか

 

 

 

そんな思考が出てきたと思う。

 

 

 

でも、そんな思考も無視するしかないほど

全力で歌うことしかできなくて

 

 

 

「もうどうにでもなれやー!!!(心の声)」

 

 

 

たぶん何かから飛び降りた昇天

 

 

 

2曲を歌い終わる頃には

足はガクガク、頭はフラフラだった。

 

 

 

リハーサルが終わり

 

 

 

誰が何を言うわけでもない沈黙の空間。

(なんか言って。まじで。)

 

 

 

ステージから降りて、トボトボ歩く私を

 

 

 

happyちゃんが目をパチクリさせて言った。

 

 

 

 

 

「歌手だよ」

 

 

 

 

 

その言葉に答えた。

 

 

 

 


「子供の頃、歌手になりたかったんです」

 

 

 

 


初めて言えた。

本当のこと。

 

 

 

happyちゃんはすごく納得した様子で

「なるほどねー!エネルギーが歌手だったもん!」と言ってくれた。

 

 

 

誰も気づいていないリハーサルでのワンシーン。

 

 

 

歌手を密かに諦めた私に

歌ってもいいんだと思わせてくれたhappyちゃん。

 

 

 

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初めてのステージを用意してくれたのも彼女で

 



 

そして

 

 

 

「歌手だよ」って

初めて認めてくれたのもhappyちゃんだった。

 

 


誰がこんな展開想像できただろう。



 

私は、この瞬間のために

彼女を見続けていたのかなぁ。

 

 

 

一生忘れない私の人生のワンシーン。

 

 

 

つづく