『テアトル東京』


銀座にはよくロードショーを見に行きました。東銀座(築地)に松竹セントラルと東劇という映画館があった。道路を挟んで向き合っている。特に東劇は豪華な映画館として有名だった。


東劇の近く、歌舞伎座の裏のほうにあったテアトル東京も忘れられない。


在りし日のテアトル東京

近くには印度料理の『ナイル』があります。

私は店の外でナイルさんを見かけたことがある。



フロアから直かに立ち上がっているシネラマ方式の大スクリーンで、ベン・ハーやアラビアのロレンスのような70mm映画やシネマスコープの映画が上映された。私は座席の列の一番前でこの大スクリーンを見るのが好きだった。少々首がくたびれるのが難でした。

テアトル東京は昭和56年10月31日、マイケル・チミノの『天国の門』のロードショーを最後に閉館された。マイケル・チミノは『ディア・ハンター』の監督ですが、『天国の門』は大予算で作られた世紀の凡作と酷評された。私も見ましたが途中で寝たような記憶がある。



テアトル東京は杮落としがマリリン・モンローの『7年目の浮気』だったというから、文字通りの竜頭蛇尾で終わったことになる。跡地には今はセゾン系の劇場が立ってるそうです。

バイトをしている身分の私がなぜ頻繁にロードショーを見れたかというと、親戚に松竹の株を持っている人がいて株主優待のチケットをもらう。その一部が私に回ってきたからです。

ちなみに、ウチの奥さんは結婚前に私と銀座でロードショーを見たことがあると主張してるんですが、私の記憶に残っているのはほかの女のコばかりだ。なぜだろう。