1月27日夕方の列車より、「泉北ライナー」に新型車両が導入されました。
そのいでたちから、「金ピカライナー」と言われるほどの、派手な外観が何よりの特徴です。
「泉北ライナー」は、平成27年12月5日のダイヤ改正で登場しました。
泉北高速が南海グループ化して初のダイヤ改正、南海グループ化の象徴として、地元では(賛否含めて)話題沸騰となりました。
車両は、当初「りんかん」の車両にシールを貼っただけの南海11000系を使用、早くも翌月には車両定期検査により「サザンプレミアム」南海12000系が代走。
3月に定期検査から戻った11000系は、泉北ライナーのイメージカラーであるゴールドを纏った新塗装になりましたが、長くは続かず今年1月4日から再度「サザンプレミアム」の代走、そして1月27日から新型泉北12000系のデビューとなりました。
泉北12000系は、その形式から言うまでもなく南海12000系「サザンプレミアム」をベースにした車両で、基本的な構造は同じですが、塗装を変更したほか内装も各車両ごとに色を変えたシートを採用するなど、独自色を出しています。
報道によると、共通設計とすることで、費用が3億円ほど削減できたとか?
1週間ほど前からは、泉北高速の車内に、このような金ピカポスターが登場。
泉北高速は、同じ広告をずらっと並べるのが特徴で、この金ピカポスターもずらっと並んでなかなかのインパクト。
ただ、1つ疑問は、今回の新型車両が泉北高速所属とはいえ、ポスターには南海の名前がありません。
上写真、左のチケットレスポイントアップの広告は、泉北高速・南海連名となっていて、これまでも「泉北ライナー」デビュー時の「スグナンバ」の広告を始め、連名広告が多数登場していただけに、今回の広告が何か「南海のよそよそしさ」を感じずにはいられません(笑)
さて、単純な疑問として、「なぜ金色なのか?」ということ。
泉北高速は、プレスリリースでこう発表しています。
「平成29年は、泉北ニュータウンがまちびらき50年、トリヴェール和泉も25年を迎えるアニバーサリーイヤー。この記念すべき年に、新型車両・泉北12000系が泉北ライナーとして新たに運行を開始します・・・」
これから、「アニバーサリー=御祝い=金色」という図式が成り立ったのかな、と想像します。
ところが、ネットニュースなどでは、社長へのインタビューとして、こう書かれています。
「人口減が進む泉北ニュータウンを活性化させるためには、利便性が高まることはもちろん、話題になることで多くの人に知ってもらうことが大切。派手過ぎると言われてでも注目度を高めたいとこのデザインを採用した。また、19世紀に起こったアメリカ・カルフォルニアのゴールドラッシュでその町の人口が数倍になったということにもあやかって、金色でニュータウンの人口増を願っている」。
カリフォルニアのゴールドラッシュにあやかったとは驚きで、何か後付けの理由に聞こえなくもないですが(笑)、「ド派手と言われても話題性を重視」したのは、偽らざる本音でしょう。
今や「泉北オールドタウン」と揶揄され、高齢者の割合が増加して通勤客が減少する中、少しでも乗客を増やすためにテコ入れをした、というのは積極的なことで、乗客からすれば嬉しいことです。
それにしても、泉北高速が南海グループ化する前は、いや、グループ化した後も、泉北高速が特急車両を所有するなんて、思ってもいなかったことです。
特急車両でこの社章を見るとは・・・
「泉北ライナー」は、一般列車にしわ寄せがひどいダイヤ設定や、深井に停まらないこともあって、特にネット上では批判の的になっています。
その批判が、時に的外れな方向に行ってるようなものもあり、正直「現実とは違うなぁ・・」と思うこともしばしば。
「泉北ライナー=ガラガラ」という図式を(勝手に)成り立たせているような批判が多いですが、最近の平日朝上り列車は、200席オーバーで座席が埋まることもあり、チケットレスの空席照会でも「残席わずか」の「△」マークが出ることも。
だからこその新型車両導入でしょうし、こういう有料特急はどこの路線でも「利用できない客からは文句しか出ない」ですから、泉北南海側はそれも承知で「泉北ライナーを育てていく」方向なのでしょう。
次回は、乗車記をお送りします。