石川佳純が平野美宇&張本美和にインタビュー『リフレッシュ方法は?』『パリ五輪へのイメージは?』

石川佳純『伝える側へ』前編(全2回)

  卓球女子で五輪3大会連続のメダルを獲得し、2023年5月に現役を引退した石川佳純さんが、木下グループのスポーツアンバサダーに就任。東京都内で行われた記者会見に出席し、『新しいことにチャレンジしていきながら、スポーツの魅力を精一杯伝えていきたい』と決意を語った

 

  東京五輪混合ダブルスで金メダルを獲得した水谷隼さんも同職に就任しており、石川さんに『これからも引き続きスポーツ界を一緒に盛り上げていこう。頑張ろうね』とエールを送ったという

 

【″初仕事”は美宇&美和ペアに質問】

  経験には、卓球女子のパリ五輪代表・平野美宇と張本美和、フィギュアスケート女子の島田麻央、男子テニスの望月慎太郎ら7選手が登壇。彼女たちとのトークセッションで、石川さんが就任後の″初仕事”としてインタビュアーに挑戦した

 

  はじめに現役時代から親交の深い平野へ『お久しぶりです』とあいさつをしつつ、現在のコンディションについて質問。平野は『代表に選ばれてから五輪に向けて新しい気持ちで過ごせているので、充実した試合ができています』と好調をアピールした

 

  あと一歩のところまで中国を追い込んだ、2月の世界選手権団体戦については、『励みになる大会になりました。けど、やはり最後は中国に負けて銀メダル。強い選手に勝つためには、(パリ五輪までの)残り3カ月で少しでも成長することが大事』と課題を口にした

 

  現在、3月だけでもシンガポールスマッシュ、WTTチャンピオンズ仁川(韓国)と遠征が続いているなか、『ハードスケジュールでのリフレッシュ方法は?』と問うと、『ご飯を食べる事が好きなので、試合前はバランス重視ですけど、帰ったらお肉を食べます』と笑顔で応えた平野

 

  続けて、『この前、石川さんにも美味しいご飯に連れて行ってもらいました』とふたりの仲のよさをうかがわせた

 

  一方、五輪初出場の張本に対しては、コートに立つときのイメージを聞いた石川さん。4月から高校生になったばかりの15歳は、『まったく想像がつかないです。頭が真っ白になったり、今までの試合とは違う雰囲気だと思います』と緊張している様子。しかし、『ただ、それもいい経験になると思うので楽しみたいです』と動じない

 

  パリ五輪に向けての強化ポイントについては、『団体戦だけの出場なので、ダブルスの練習を頑張りたいです。もちろんシングルスもあるので、自分の実力を発揮し、どの国の選手と戦っても勝てるようにしたいです』と自分の役割を把握しながら冷静に話した

 

  最後に『私のプレーの″ここを見て!”』という注目ポイントを聞かれた張本は、『攻めることと、守備からの反撃もできるところ』と自身の強みを挙げると、石川さんは『守りもうまいし攻めもうまい。このバランスが、年齢と関係ないと思いつつも、15歳とは思えないすごさがある。パリ五輪でも楽しみです』と本戦に期待を寄せた

 

【東京五輪を牽引したレジェンドからのバトン】

  トークセッション終了後には、報道陣からの質疑応答が行われ、石川さんと平野の″東京五輪ペア”の関係性に焦点が当たった

 

  お互いのよさについて聞かれると、平野は『東京五輪でダブルスを組むかもしれない、という話になってからはコミュニケーションをとる機会が増えて、よりお世話になるようになりました。一緒に試合に出たり、練習をしたり、プライベートでもご飯に連れて行っていただいたり。お話をたくさんするようになりました』と絆が深まったきっかけを告白

 

  さらに『石川さんは卓球でも、それ以外の面でも本当に強い気持ちを持っている方で、こうして引退してからも大活躍されているのは、その心の強さとすばらしい人間性があるからこそ。本当に尊敬できて、私の憧れです』と話し、先輩に対するリスペクトの大きさを感じさせた

 

  一方の石川さんは、『技術的にも精神的にも強い選手であることは私が現役時代から感じていました。ハードスケジュールだったパリ五輪予選でも、最後に(代表の切符を)勝ちとったこと、本当にすばらしいです』と平野を絶賛した

 

  また、『張本選手と一緒に出るということで、(五輪団体戦では)初めて後輩ができますよね。おそらく美宇さんから美和ちゃんに教えていることがたくさんあると思うので、(先輩として)チームを引っ張っていってもらいたいです』と今夏の本戦での役割についても言及した

 

  それを聞いた平野は、『アドバイスはできているかはわからないんですけど、次は自分が年上なので、石川さんに教えていただいたことを伝えていかなきゃいけないと、あらためて思いました』と気を引き締める

 

  前回大会、最年長として日本代表を牽引した石川さんから平野へと、バトンが受け継がれる形となった

 

  その背中を追う張本も『毎大会、試合を重ねるにつれて課題や反省する部分が出てくるので、それを見つけたら直すことを繰り返せば、パリ五輪への準備になる。そこに向けて新しいことに挑戦することも目標にしていることなので、勇気を持って挑戦し続けたいです』と力強く話した

 

  記者会見を終え、『答えるよりインタビューする方が100倍緊張する』と振り返った石川さん。先日、フジテレビ系『パリ2024オリンピック』中継のスペシャルキャスターに就任することも発表され、今後ますます数多くの競技や選手と向き合うことになる

 

『こうして五輪に関わることができること、本当にうれしく、光栄な気持ちです。それぞれの競技や各選手のパリ五輪までのストーリーを、テレビを通して見てくださる方に精一杯、伝えていきたいです』

 

  取材される側から、する側へ。石川さんは″伝え手”として、新たなスタートを切った