パイオニアに見るプロスポーツとアマチュア企業スポーツ | バレー・テニス中心のスポーツブログ

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ついにパイオニアレッドウィングスは9月末で廃部決定。残念でなりません。


女子バレーのパイオニア 9月末廃部を発表、はこちら


■アマチュア企業スポーツ

2度もVリーグ優勝を誇るチームがこの女子バレー黄金期に廃部になるというのは、本当に悲しすぎます。でも廃部というのは今に始まったことではないです。


・現女王的存在の久光製薬スプリングスも、前身はダイエーオレンジアタッカーズ

・常勝集団の東レアローズも、前身はユニチカフェニックス

・実質プロ集団の岡山シーガルズも、前身は東芝シーガルズ


と今まで幾度も廃部通告、そして請負企業を探しては、バレーチーム存続してきました。おそらく1978年から継続しているのは伝統的なNECレッドロケッツだけではないかと思います。


難しいですね、アマチュア企業スポーツは。スポーツ部の廃部は業績悪化とは避けられないもの。自分も経営者の一人として今回の件は非常に重く感じています。ただ今回の件、ひどい!、選手たちはどうなる?と思う方もたくさんいると思います。

でも自分はパイオニアという企業を攻められない。なぜなら色んな苦難を乗り越えても、ここ数年継続してきたからです。2007/08シーズンからは5位以下が続き、ここ2年間は8位という結果。パイオニア・バレー部はまず企業運営という点よりも、何かチーム内に波乱ぶくみの問題を常に抱えてるのかなと感じていました。毎年のようにスタメンクラスの選手の移籍が多い。


昨季からはまるで別のチームになったようなメンバーばかり。そういうチーム内のゴタゴタの件も甘味され、更に今回のチャレンジリーグ降格による、またもや主力選手の移籍話が絶えなかったこと。色んな内部事情の混乱が、パイオニア上層部に伝わり、今回の結果になったと感じます。


特に入替戦の2試合は、何かあったのかというくらい、気力がないように感じられました。土壇場での必死さが感じられなかった。当ブログにもかなりの数のパイオニアの不甲斐なさのコメントがたくさんきましたが、もちろん掲載してません。スポンサーの企業としてあのような試合を2試合続けて見せられると、悲しさを感じてしまいます。


上記のことはあくまで自分の想像であり、現実は全く違うのかもしれません。ファンにも数年前から廃部の話はでてました。だから少なからず選手にもなんとなく伝わっていたのではないでしょうか。でも前もって何かできなかったのか?ここ数年で何か変われなかったのか?と思ってしまいます。


選手達が移籍できるように猶予期間が9月末まで設けられたことは、最低限の恩だと感じました。全員が納得できるバレーの環境であったり、人生を送れることを心から祈りたいと思います。


■他プロスポーツの現状(アマも含めて)

いつかお話ししたかと思いましたが、自分もバレー事業として何かできないかと考え、少し動いた時期があります。パイオニアの件も、昨年そういう噂を聞きましたし、平均的な実質のバレー部運営費が3億円強という数字も広告と考えればすごい金額だなと思いました。


残念ながら、バレーはまだマイナースポーツ。サッカー、野球の露出度とは比べ物になりません。最近でいえば、フィギュアスケートは会場チケット代だけで、20~25億円といわずか5日間の開催しかないにもかかわらず、物凄い成功を収める別格なスポーツになりつつあります。


国民的な人気を誇る「浅田真央」、絶対的なファン層を獲得する「高橋大輔」、ソチ五輪で金メダルを獲り、世界フィギュアでも金メダルと、現男子世界No.1の「羽生結弦」と世界的な選手がごっそりいるフィギュアスケート。


※『世界フィギュアの収益は20億円以上!? 5日間で、J1クラブ1年分のお値段に。』はこちら


実はバレーと同じマイナー競技でプロ化をしているバスケットも同様に苦戦しています。バスケットはまずリーグが2分化されており、1元化するように再三FIBA(国際バスケット連盟)から言われていて、今後の世界大会出場権さえももらえないような危機的な状況に陥っていますが、2分化されているだけにファンにも動揺が走っているまま年月が経過しているように思えます。


バレーでいえば、Vプレミアリーグが2分化されて、VAリーグとVBリーグと2つあるようなもの。そしてプロ野球のように日本シリーズで決定戦を行う訳でもなく、全く違うリーグとして優勝決定戦を行ってること。バスケは、元々の運営リーグが壊滅し、なぜか現在NBLとbjリーグの2つあるんです。詳しく調べてないので、何とも言えませんが、本当に奇妙な実態だと感じます。


※『NBL、bjリーグに見るプロ化の壁。日本バスケット界の“市場規模”。』はこちら


セレブスポーツとして、また企業スポーツとしては第1人者の「プロゴルフ」は、ご存じの通り、男子は若い世代が滞っており、2大人気スターの石川遼と松山英樹がアメリカツアー参戦のため、少し低迷気味ですが、女子は10代のアマチュアが活躍するように活気づき、毎週のように億を超えるトーナメントが開催されています。


企業同士の接客として高年齢層でも楽しめるスポーツに一般化されていることが非常に大きいと感じます。自分がやるスポーツは応援したくなりますから、そういうスポーツにはスポンサーがつきます。


■バレースポーツの現状

ではバレーはというと、今季は色んなメディアを見ていましたが、露出が非常に少ない。スポーツニュースでも開幕戦とセミファイナル、決勝などを取り上げるくらいで年に数回、後は結果だけの数字が新聞のスポーツ欄に出るくらい。


ありがたいことにGAORAなどのCS、BSが放送してくれたお蔭で、何とかTV放映を見ることができますが、以前のように地上波でバレーの国内リーグを見ることは皆無となってしまいました。


ソウル五輪やバルセロナ五輪くらいは、人気も頂点を極めていたので、確かリーグの決勝「日立×ユニチカ」とかは19時開始のゴールデンタイムに放映があったような記憶があります。ちょっと幼い頃なので記憶があやふやです。


Vプレミアでさえもその程度の露出なので、チャレンジリーグになると終盤の入替戦くらいになってしまいます。Vプレミア企業のバレー部の運営費は、移動費、宿泊費、練習器具やユニフォーム、食事など含め、年間3億円強と言われています。


実費として3億円がどのくらい凄いかというと、パイオニアは製品製造での販売業ですので、売上の10~30%が利益となり、結局バレー部を運営するには最低でも10億円の売り上げが必要となると仮に算出します。


3億円を仮に人件費に充てたら、何人の人を雇えるか?という話にもなってしまいます。年間300万/人としても税金・保険なども考慮し、70人程度が雇える状況だと思います。


10億円を売り上げる、しかも毎年。それはそれは大変なことです。それをバレー選手が知っているのかはわかりませんが、スポーツのリーグ戦を戦う以上、勝者と敗者は存在するもので、敗者には敗者なりの対応があることは避けられないことだと思います。


プロ選手でも優勝チームと最下位のチームとでは、来季の年棒を野球などで見れば、数億円になる選手もいれば、数百万に下がる選手もいる。一長一短です。


特に日本のバレー企業のアマチュア選手は、優遇され過ぎるなあと最近の海外のバレー事情を見て思います。おそらくこのブログを見てる方は、昨季の常勝軍団のトルコのワクフバンクのトレーニングコートを見ませんでしたか?


あのコートを見て何か感じませんでしたか?自分は何と狭い練習コートなんだと。少しでもディグを弾けば、練習がつながらないコートの幅でした。日本の中学、高校生の方が立派な広いコートを使っていると感じたくらいです。


それでも選手たちは文句も言わずに連勝街道を走り、木村沙織の所属時代はCLも世界クラブも優勝、今季はCL準優勝、リーグ優勝と結果を残しました。



それに比べて久光の体育館などはバレーだけで3面取れるようなとんでもなく広いコート。更に海外選手には直属の通訳もつく。物凄い優遇された日本バレー界だと痛感します。


アメリカ女子バレー監督のカーチ・キライがアメリカ代表のMBアキンラディオに相談されました。大学を卒業し、どの国に所属するのかいいか?と。そうするとキライは日本を最初に勧めました。それは待遇面が他国よりもずば抜けていいから。


住むマンションや通訳、その他の金銭面と治安の安全性など含めて、バレー環境は見ての通り素晴らしい。ということでアキンラディオの初海外リーグ挑戦はトヨタ車体になったと聞いてます。


木村沙織や佐野優子、庄司などもわかると思います。自分は思うんですが、日本は恵まれすぎたバレー環境だと痛感します。


かといって、プロ化を進める男子の堺ブレイザーズ、女子の岡山シーガルズは独自路線。特に堺は、以前にも記事にしましたが非常に厳しい経営が続いていると聞きます。


2012-03-31 地域密着型チームの苦悩(1)堺ブレイザーズーム


岡山は堺と違って、岡山県がメインスポンサーなので、非常に安定した経営ができているようです。税金になってしまいますけど、岡山の地域がしっかりとサポートしているので企業広告の堺とは異なり、安定した予算が期待されます。


選手達も積極的に岡山地域のイベントに参加したり、駅でパンフレットを配ったりと、プロの自足での苦労が身に染みて感じられます。だからこそ、運営の実態や色んな方の想い、支えられている環境などを認識しているので、バレーへの打ちこみ方が違うのかもしれません。


基本的には岡山のような県という安定した大きなバックアップ体制があると、バレーのプロ化も夢ではない気がします。岡山がVリーグで優勝したりすると、色んなメディアが岡谷の地域密着型のチームを取り上げてくれるかもしれません。


最近、バレーコートが剥がれて、体に刺さり重傷を負ったというニュースが数件ありました。大変なことで、大事に至らないことを願うばかりですが、おそらく海外ではこういう現象は頻繁にあるのではないかと想像します。


日本のバレーコートは非常に美しい。更に世界大会も必ず日本であることが多い。現にWGPファイナルも2年連続で日本。更にリオ五輪の出場権がかかったW杯も日本開催と、日本はTV局やメディアの経済力でかなり優遇されてます。


■ファンとして・・・

海外ファンは、なぜここまで日本開催ばかりなんだ?と疑問や不満を持つファンも多く、確かに普通に考えると日本は恵まれた、恵まれ過ぎたバレー環境だなと痛感します。


選手はこういう世界的にも優遇された環境をどう感じているんでしょうか?それを見守るファンは、何を感じてるんでしょうか?最近思います。バレーのファンは何をすれば、何に貢献すればいいんだろうかと。


自分はなかなか会場に行くことができないので、ブログで何かを発信するしかない。そう思い、ここまで続けてきました。切っ掛けは東北大震災でしたけど、今は続けてよかったと感じてます。


全日本は見るけど、リーグは見ないファンも実質多く、それがリーグの運営や企業運営に大きく関わっています。自分も大きく言えないですが、最もバレー界に貢献しているファンは、旅費を出してでも毎週のようにリーグの会場に出向き、選手たちを見守り、応援し続けるファンではないかと自分は思います。


この会場チケット代がバレー運営に大きく左右していることは、言わずと知れた事実。毎週の会場の観客数も2000名前後。バレーはありがたいことにチケット代が安いので、3000円平均としても1会場の収益はわずか600万程度。昨季リーグのレギュラーラウンドだけでいうと、28試合なので600万×28試合=16億8000万程度なのかなと感じます。


ここからVリーグ機構の人件費、運営費、会場設営費、ポスターなどの備品類、アイドルのアンバサダー代など様々な経費を引いても、残るのはわずかか、厳しい状態と聞いています。この中から幾分かが企業へサポートされていると思います。


確かにVリーグ運営の面で疑問を感じることもありますが、バレー界を盛り上げるには、廃部という最悪の形を生まないためには、ファンは何をすればいいんだろうか。何もすることはないという人もいれば、積極的に会場に出向き、応援をしながら、金銭面のサポートも続けるというファンもいる。



サッカーなどでは、過剰な動きもありますけど、Jリーグが現行の1リーグ制から2リーグ制に戻すという話が出た時に、全面抗議の形をファンが示しました。バレー会場でこのようなことをしていたら、すぐにチェックが入り、締め出される可能性もあるかも。やはりアマチュアスポーツの応援の形って難しいかもしれません。


自分は思うんですよね。バレーファンって意外とバラバラなのかな。野球やサッカー、テニスなど1つになる時はありますが、バレーは全日本の試合でも何か大人しいのかな。やっぱり、ファンとしてやれることはできるだけ会場に出向き試合を生観戦する。難しい人は、バレーの試合を生中継で見る。くらいでしょうか。


この問題は難しすぎて、結論はなかなか出せません。「バレーボール」という競技をもっとメジャーにしたいです。ワールドカップのサッカーは代表選出だけで、あれだけの騒ぎ。女子バレー、男子バレーでもいいですが、これだけメディア露出し、インタビューも豊富にあれば、バレーというスポーツの楽しさや、もっと奥深いスポーツだと認識できる情報量は確実かと思います。


何でサッカーってあんなに人気あるんだろ?野球って難しいスポーツで、アジアと北米くらいなマイナーなんに日本で人気あるんだろ?と最近思います。もっとバレー番組が見たいし、情報が欲しい。


テニスはtennis365.net と全てを網羅する情報サイトがあるので、自分は安心というかありがたいです。バレーにもこういうサイトがあればと思います。やはりプロ化しかないのかな。でもバレーのプロ化は男女共に全日本が世界一であり、海外選手が日本のVリーグに来たがる状況を作らない限り、難しいだろうなと感じます。


皆さん、共に協力し、徐々にでもいいので盛り上げていきましょう。


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