《偉い人にならなくてもいい。立派な人になりなさい。》
※小学生の時の卒業文集に書かれていた、教頭先生の言葉。
なんとなく分かる言葉。
それを対峙して見せてくれたのは、『榊原郁恵』さんだった。
榊原郁恵さんは、ホリプロが募集した『タレントスカウトキャラバン』の第一回目の優勝者である。
私たちはワクワクして待っていた。
新しいアイドルの登場を。
家が厳しく、リアタイで番組を見る事が出来なかった私は、次の日クラスメイトに、『タレントスカウトキャラバン』でどんな人が優勝したか聞いた。
「ちょっと松本ちえこに似た人が優勝したよ」
その当時
アイドルと言えば『松本ちえこ』だったのだ。
全然違うけど、要するに、『榊原郁恵』さんはそう言うタレント要素満載の人だったのであろう。
スカウトキャラバンを見る事は出来なかったけど、毎日、榊原郁恵さんをテレビで見る日が続いた。
ヒット曲を連発して、弾ける笑顔がホントに眩しく可愛かった。
ホリプロは良い仕事をしたと、高校生の私は思った。
その榊原郁恵さんが渡辺徹さんとご結婚され、先般夫の渡辺徹さんを見送ると言う悲しい出来事があった。
その時の記者会見の模様が、ホントに『立派』と言う言葉しか当てはまらないほど『立派』であった。
色々小難しい事を考えたらキリがないけど、
長男である裕太さんを表に立たせ、自分は控えめでありながら
『タレント榊原郁恵』『渡辺徹の妻』として佇む郁恵さん。
どんなにお化粧を施してもやつれていたのは一目瞭然だった。
テレビのこっち側で見る私たちは、郁恵さんが突然泣き出して倒れるのではないかとヒヤヒヤした。
郁恵さんも
裕太さんも
黒い衣装を着て、『渡辺徹』さんの最期を語った。その最期が日常からの延長の死であった事が良くわかった。
『榊原郁恵』さん。
【立派】な記者会見をありがとうございました。
慎んで
『渡辺徹』さんのご冥福をお祈り致します。