むかしむかし

 
いいえ現在
 
はたまた未来
 
 
ヒマギという羊飼いが
羊たちを連れ旅をしてました🐑
 
 
ある日の夜ヒマギは
 
あ、狼だ!
 
と叫びました
 
周りで寝ていた
羊たちは目を覚まし
 
なんだかソワソワしています
 
 
すると森の中から
ゴソゴソと音が聞こえます
 
 
一瞬あたりがシーンとしました
 
 
 
見られている…
 
 
視線を感じたヒマギの頭の中では
いろんな妄想が膨らみます
 
 
誰か助けに来てくれたのかな?
 
それとも
狼の群れだったらどうしよう?
 
そしたら羊たちをどこに隠そう?
 
 
あ、こんな広いところじゃ
隠れる場所なんてないか!
 
うー…
 
死ぬ前にアイスクリームが食べたかったな
あの子にも謝っておけばよかった…
 
まぁ仕方ないっか
 
十分楽しかったな
羊たちと過ごせて
 
せめて最後くらい
いい想いをしてほしかったな…
 
 
 
そんなことを思っているうちに
森の中から出てきたのは
なんと小人さんたちでした
 
 
ヒマギを心配し
駆けつけてみたものの
 
狼が怖くて
出てこれなかったようです
 
 
ヒマギはちょっと安心しました
 
 
とりあえず
羊たちを落ち着かせようと
 
小人さんたちが羊たちを
撫でてくれました
 
 
羊たちのふわふわした毛は
小人さんたちを喜ばせました
 
 
しばらく小人さんたちは
羊たちを撫でていましたが
 
どんなに待っても
狼は見当たりません
 
 
ヒマギはだんだん
不安になってきました
 
それもそのはず
 
ヒマギはただ
夢を見ていたのですから…
 
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♪黒い羊♪

 

月の光の木洩れに

草花の雫が輝く夜

羊飼いのヒマギは

歩いていました

 

川の明かりを頼りに

おぼつかない足取りで

溶けそうにないアイス

みたいな手を温めて

 

「あ、狼だ!」

 

夢で見ただけなのに

なぜか本当な気がして

思わず叫んだあの時は

 

確かに聞こえたんだ

キミの声

 

「いつもいつも僕はいるよ

 そばにいるよ

 見えなくても僕はいるよ

 そばであなたと」

 

嘘はつきたくないから

探したよ狼

 

みんなして僕を責めるのは

もう嫌だからさ

 

そしたら本当に見つけた

白くて小さいオオカミ

 

暗闇の中の誰かと話をしながら

 

夢で見たのは

黒くて大きなやつだった

何かが違うなって気付いたら

分かった

 

君は黒い羊さんなんだね

 

「いつもいつもぼくはいたよ

 そばにいたよ

 見えなくてもぼくはいたよ

 そばであなたと」