なぜ絵本の出版社でも書店でもない個人の私が「絵本の対談イベント」を企画するのか?
ちょっと記させていただきます。


絵本に限らずですが、だいたいのイベントというものは新作のプロモーションが目的(出版社が企画主催)だったり、季節の売れセン商品の販売目的(書店が企画主催)であったりする場合が多いですよね。

(そこはもうそれぞれにやられていて、私も楽しみによく足を運ばせていただきます。)


一時代の創り手である作家や画家と、やはり一時代の読者(潜在読者を含む)とが出会い、そこにつめこんだ思いやテーマを直に聞くことのできる貴重な機会。
単体で(あるいは一作者について)、あるいは新刊本の宣伝の際に語られるばかりでは、ちょっともったいないなあ・・・と思うようになりました。

1970年~の『月刊絵本』や1990年~の『pee boo』、初期の『飛ぶ教室』。
かつてこれらの月刊誌が行っていた挑戦をライヴで試みる、あるいはインタビューを試みること。
創り手と読者で作り上げた「場」の記録の積み重ねは絵本や子どもの本を取り巻く「いま」を
10年後20年後に伝えるはずです。


小さな一歩から始めますが、この「場」がもしも、絵本や子どもの本に関係する人々をちょっぴりでも元気づけたり、すばらしい作品の誕生に繋がるきっかけになれたりしたら、それはこの上ない喜びです。

 

少し前までは「どんな絵本があってもいい」と思っていたのですが(このあたりは90年頃の今江祥智さんの発言に影響されている気がします。)、違うような気がしてきたという気持ちの変化もあり。
名作と呼ばれる絵本に感じられる偉大なるノスタルジアや世代間での継承、テーマとか、読者に託される想像の余地とか。個人的にはモノとしての電子化への抗いとか・・・


いつも絵本や子どもの本のこと、その作品や周辺を思います。
すっかりこの深みと魅力にはまったともいえます。

ありがとうございます。
さらに勉強させてください。


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そんなわけで初の対談企画は、本好き文学好きの方々が夜な夜な集まります、出版文化を中心に発信していらっしゃるこちらの書店、B&B下北沢さんのイベントスペースで開催します。

☆『僕らの絵本~グリム200年のひみつ』
12/23(日)14時~16時
出演:天沼春樹さんドイツ文学者)×北見葉胡さん(画家)

【絵本原画展示サイン会あり。ご来場のみなさまへ北見さんからポストカードセットのプレゼントあり!】

その特異な、あるいは真昼の夢のような幻想世界の表現がいつも私たちを魅了して止まない・・作家の天沼さん、画家の北見さんをお迎えします。

創り手と読者が出会い、多角的な視点から(グリムという古典テーマを含む)「絵本」「表現」について語りあう場を皆さまとごいっしょに創ってまいりたいと考えております。
質問タイムには、皆さまからのお話もぜひ伺いたく思っております。


ご出演いただきます天沼春樹先生、北見葉胡先生からは「とっておきのグリムお蔵出し話」の他、なにやら楽しみなお話も伺えそうで、私自身たいへん楽しみにワクワクしております。


師走のお忙しい時期ではございますが、また書店HPからのイベントチケットの購入が必要となりますが、興味を持っていただける皆さまにははぜひご参加いただきたく、ご案内させていただきます。


12/23
(日)14時~16下北沢にて。お待ちしております!

http://bookandbeer.com/blog/event/201223_bruder_grimm/ (イベント詳細についてはこちらをご覧ください。)
※終了いたしました。ご来場いただきました皆さま、ありがとうございました!
対談について収録させていただきましたので、①~⑬の記録をぜひご覧ください。



 (『リトル・レトロ・トラム』表紙)

絵本や子どもの本へ 愛をこめて。


12/12
 東條知美(絵本イベント企画コーディネイト、司書)

*追記*
ブログテーマに「絵本案内」を加えました。
イベントを頻繁にできない時期にも、絵本の魅力をこちらでお伝えできればと思っております。コメント大歓迎です♪
(2013年7月 東條)