3月の絵本棚 

 テーマ

エンパワーメント

 

 

3月8日【国際女性デー *】に向け、中でも「女性」を生き生きと描いた絵本、一歩踏み出す勇気や元気をあたえる絵本、すべての人にあらたな視点を提示する……エンパワーメントの絵本を並べました。

 

 

 

 明日以降、こちらからご紹介してまいります✨

 

エンパワーメントの絵本

視界が拓かれる絵本

 

この機会に、どなた様もぜひお手に取ってごらんください。

 

 

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(左上より)

『せかいでさいしょにズボンをはいた女の子』(キース・ネグレー 作/石井睦美 訳/光村教育図書)、『みちとなつ』(杉田比呂美 作/福音館書店)、『わたしたち』(パロマ・バルディビア 作/星野由美 訳/岩崎書店)、『世界でさいしょのプログラマー エイダ・ラブレスのものがたり』(フィオナ・ロビンソン 作/せなあいこ 訳/評論社)、『ルピナスさん』(バーバラ・クーニー 作/掛川恭子 訳/ほるぷ出版)

 

『3人のママと3つのおべんとう』(クク・チスン 作/斎藤真理子 訳/ブロンズ新社)、『ジャスミン』(ロジャー・デュボアザン 作、絵/さがの弥生 訳/童話館出版)、『たかくとびたて女の子』(ラケル・ディアス・レゲーラ 作/星野由美 訳/汐文社)、『わたしとなかよし』(ナンシー・カールソン 作/中川千尋 訳/瑞雲舎)、『ガラスのなかのくじら』(トロイ・ハウエル&リチャード・ジョーンズ 作/椎名かおる 訳/あすなろ書房)

 

女の子の昔話えほん『ちからもちのおかね』(中脇初枝 再話/伊野孝行 絵/偕成社)、『しげるのかあちゃん』(城ノ内まつ子 作/大畑いくの 絵/岩崎書店)、『メンドリと赤いてぶくろ』(安東みきえ 作/村尾亘 絵/KADOKAWA)、『ぼくのママはうんてんし』(おおともやすお 作/福音館書店)、『数字はわたしのことば:絶対にあきらめなかった数学者ソフィー・ジェルマン』(シェリル・バードー 文/バーバラ・マクリントック 絵/福本友美子 訳/ほるぷ出版)

 

 

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3月8日 国際女性デーによせて

 

 

近年、各所で"女性の活躍" がスローガンとして掲げられるようになりましたが、これを実感し、安心とともに、持続性のあるものとして実践できている……という人は、果たしてどのくらいいるのでしょうか。

 

 

女性は、世界の貧困層の多くを占めるなど、今でもジェンダー*による影響を受けやすい環境下にあります。

 

 

SNSの広まりは、ジェンダーバイアス*や性差別の解消が社会の発展のため、全体の喫緊の課題である、ということが周知される契機となりました。

 

 

メディアは人々の意識を映し出します。

 

 

絵本も例外ではありません。

近年国内外で、働く女性を生き生きと描いた伝記絵本や創作絵本、「自分らしさ」を高らかに謳う絵本、ジェンダーバイアスを問う絵本など、女性のエンパワーメント*となる作品が増えてきました。

最近では、働く女性のみならず「母」である女性にも焦点をあて、その思いに寄り添う作品が増えているのも特徴的です。

また、男性(男の子やお父さん)の生きづらさに焦点をあてた、男性のエンパワーメントとなる絵本も出ています。

 

 

ここ数年は私の仕事でも、生き方、性の多様性、ジェンダー平等、幸福など幅広いテーマを含む(包括的な)学びを「絵本」を題材に……そういったご依頼が増えております。

(包括的教育については、SDGs*教育の広まりと共に、図書館司書研修や保育・幼児教育関連研修でもリクエストをいただいております。まずは手渡す大人から、ですね。)

 

 

だれもが 差別されることなく、生き方を自由にえらび、豊かな日々を送れますように。

 

生きづらさの中に閉じ込められることなく、自分らしい人生を享受できますように――

 

願いを込めて

さあ、あなたも。

 

 

💐 絵本コーディネーター東條知美

 

 

 

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* 国際女性デー

1904年ニューヨークでの婦人参政権を要求したデモを起源とし、国連は1975年の国際婦人年において、3月8日を国際女性デー(International Women’s Day)と制定しました。

 

 

* ジェンダー

一般的にジェンダーは生物学的な性差に付加された社会的・文化的性差を指します。

"ジェンダーは、「男性だから・女性だから」、と枕詞がついて「こうあるべき」姿として、それぞれが所属する社会や文化から規定され、表現され、体現されます。"(参考:内閣府ページ 

世界経済フォーラム「ジェンダー・ギャップ指数2022」 によると、日本の順位は146か国中で116位。先進国のなかでは最低レベルの順位。

 

 

* エンパワーメント

 (参考:Weblio国語辞典 

 

 

* ジェンダーバイアス

"「ジェンダー・バイアス」とは、男女の役割について固定的な観念を持つこと、社会の女性に対する評価や扱いが差別的であることや社会的・経済的実態に関する女性に対する神話を指すと言われます。"(参考:第二東京弁護士会ページ 

 

 

 

* SDGs

「持続可能な開発目標」(Sustainable Development Goals)

簡単に言うと「世界中にある環境問題・差別・貧困・人権問題といった課題を、世界のみんなで2030年までに解決していこう」という計画・目標。「誰一人取り残さない(leave no one behind)」と掲げられている。

 (参考:日本ユニセフ協会