3/2


ながしまひろみさんの漫画『わたしの夢が覚めるまで』をダ・ヴィンチwebで通し読み。

よかった。

その先まで行こう、ごはん食べようねって、誰にってわけじゃないけど伝えたい夜です。

https://ddnavi.com/serial/watayume/




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3/4 【東日本大震災を伝える絵本】


◇『ただいま、おかえり。3.11からのあのこたち』

(石井麻木写真・文/世界文化ブックス)


絵本は伝承する。

経験していないことを。あの日の記憶、あの日からの記録を。


〈知ることしかできないということは

知ることならできるということ。〉


2011年から毎月、月命日に被災地へ通う写真家が伝える東日本大震災。



正直にいうと私自身、東日本大震災をいまだに乗り越えられていない気がする。

自分に一体なにができる?考え込んだりうなだれたり、あの日から迷うことばかり。

でも、かつて勤務先で、「僕らは知らないから……」と困った顔の子どもたちに出会った。そうして改めて思った。


絵本は伝承を担える。



写真家 石井麻木の目が捉えた人と風景。


その1枚には深い悲しみ、葛藤が映る。

あきらめなければならなかったたくさんの思いが映りこむ。

その1枚には、子の幸福を願う親が浮かび上がる。

もうそこにはいない者たちの、切なる祈りが映っている。






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3/7

お国言葉って面白いですよね。
私たちの、知ってるようで知らない日本。
子どもも大人もみんなで楽しめる♪

これをネタに「がっこ」(漬物:秋田県)つまみながら「まけまけいっぱい」(なみなみ:徳島県)のお酒で盛り上がるのもアリかも。


□『目でみる方言』
(岡部敬史 文/山出高士 写真/東京書籍)


『目でみる方言』著者岡部さんの手がけるシリーズはどれも情報量がたっぷり!これ、私のおすすめポイント一つ目。
さらに、
読者のあたらしい視点を拓くテーマを擁しながら、内容はあくまでわかりやすく、もっと知りたい気持ちにさせる……という点が二つ目のポイント✌️

「世界」と出会うきっかけに。



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3/8
【国際女性デー】

私は絵本を手にジェンダーを考え発信するようになってやっと、かつて感じたあまりにも無数のモヤモヤや悲しみを言葉にしたり、他人と共有することができるようになったと感じています。
ひとつひとつ
他人にも自分にも、誠実に向き合っていきたい。



ある日生まれ、
夢を抱き、友を探し、
悩みもがきながらもどっこい生きてる私たち。
自分の可能性を信じる。
卑屈にならない。
すぐにあきらめたりしない。
いくつになっても、なんでもはじめられる。
世の中を少しでも美しいものにできたらいいな……

そんな思いを並べてみました。
 

💐(写真 上から時計回り)
『あなたがうまれたとき』(小学館)、『たかくとびたて女の子』(汐文社)、『みちとなつ』(福音館書店)、『メンドリと赤いてぶくろ』(KADOKAWA)、『ぼくのママはうんてんし』(福音館書店)、『月とアポロとマーガレット』(評論社)、『しげるのかあちゃん』(岩崎書店)、『わたしとなかよし』(瑞雲舎)、『ガラスのなかのくじら』(あすなろ書房)、『ルピナスさん』(ほるぷ出版)、『エマおばあちゃん』(徳間書店)、『わたしたち』(汐文社)
 
他にもたくさん!
皆さまにご紹介できる機会がありますように。

💐今月のブログは「エンパワーメント」をテーマに何冊かご紹介しております。ぜひご覧ください。



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3/9

居場所がありながら……
自由気ままでありながら……

自分の役割に〈つかれちゃった〉星。
〈からっぽみたいな きもち〉を抱えたおおかみ。

出会いは別れのはじまり――

でも大丈夫
ずっと見ているから。

想いをのせて贈りたい絵本です。


◇『いっぴきおおかみとおほしさま』(まつむらまいこ作/小学館)


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3/9

米絵本作家イアン・ファルコナー氏の訃報。
'96年3歳の姪っ子のために描いた『オリビア』(日本画版2001年 谷川俊太郎訳/あすなろ書房)シリーズは、世界に愛される傑作。
幼子の世界を微笑ましく、時に大胆に痛快に描き出します。


――なんてってたって あいしてるからね。
R.I.P



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3/10 【下町が焦土と化した 東京大空襲】

〈てきの こどもが ころされる
みかたの こどもも ころされる
ひとが ひとに ころされる
しぬより さきに ころされる〉

◇谷川俊太郎 文/江頭路子 絵『せんそうしない』(講談社)より

No War.




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3/11 【東日本大震災から12年】

〈わたしは いつも ここにいて あなたのことを まっている。〉

気仙沼出身の作者。

波を描く……覚悟が必要だったと話してくれました。
「きっかけをもらえた」とも。

カモメを
漁に出るお父さんを
見送る家族を
出会う者を
戻る者を

見守る波


◇『なみのいちにち』
(阿部結 作/ほるぷ出版)

日が沈み、月がのぼる頃の……
ここに描かれる「夜」のイメージに、わたしはすくわれました。
勝手にすくわれています。

それで、やっぱり今日という日に、紹介したいと思いました。

こんなにもうつくしい絵本。
阿部結さん、ありがとう。




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3/12 【原発事故から12年】


抜けるように青い空、おだやかな海――


帰れない人、戻せないものを、絵本は静かに伝えます。


〈自分にできる手段は絵を描くことだった〉……


被災地へと通う作者の鈴木さん。


震災後の双葉、波江、富岡を、遠く離れた都会の電飾を、犬とともにみつめ続けます。



◇『いぬとふるさと』

(鈴木邦弘/旬報社)



 


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3/13


〈かあさんは よわい

ときどきすごく よわくなる

おちちをあげながら

不安はあちこちから こぼれおちてくる〉

……


でも

子どもは笑う。

子どもは歌う。

体いっぱい、今を生きている。

その姿が私に力をくれる。


〈うれしいこと あるよ〉



◇『あかちゃんがわらうから』

(おーなり由子/ブロンズ新社)





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3/14


アニメーション作家でもある大桃洋祐さんの絵本。


登場人物の動きをフィルムのように描く頁の面白さよ!

(きっと、後ろから見返す子もいるよね)


おじさんのキャラがいい。

いろんなお店で買ったものを全部積んで……ほら~ やっぱり!な展開もいい。


これはいい。



☆『ハムおじさん』

(大桃洋祐/徳間書店)


先日お会いした際に、
「バーニンガムやベーメルマンスが好き」と大桃洋祐さん。
要所要所になるほどと思わせる洒脱、モチーフに対する焦点のあてかた。


次回作が待ち遠しい。



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3/15 【短歌ブーム】

クローズアップ現代「空前の“短歌ブーム”が映すもの 令和の歌に託した思い」


本屋で目を惹かれ手に取ったら歌集、ということも多い昨今。
紙の本……とくに現代歌人の歌集に美しい装幀本が増えましたね。
空前の短歌ブーム、その一端を担っているように思います。

歌集までなかなか手を出せないのですが、せっかくなので本棚から現代歌人の絵本を抜いて並べてみました。(一部)


『あれたべたい』(枡野浩一/目黒雅也/あかね書房)、『ねむねむねねん』(天野慶/おーなり由子/福音館書店)、『やだやだパパやだ!』(天野慶/はまのゆか/ほるぷ出版)、『シロのきもち』(枡野浩一/内田かずひろ/あかね書房)、『かえるの竹取ものがたり』(俵万智/斎藤隆夫/福音館書店)



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 春がはやい


散歩のベストシーズンです。
でも、もしかしたら私、花粉症デビューしちゃったのかも。
くしゃみが30回も止まらないなんて、生まれて初めて!

3/14には東京で桜の開花宣言が出ました。

春よ、早過ぎないで。


絵本コーディネーター東條知美