4/16

 

「本の駅ゆしま一箱古本市」へ。

湯島駅改札を出たタイミングでバケツをひっくり返したようなどしゃ降り&雷鳴で、しばし足止め。

(そこから夕方まで、終始降ったりやんだりでたいへんであった)

 

 

古本市の後、歩いて谷中へ。ひるねこBOOKSに立ち寄る。

ぬまのうまきさんの展示がよかった。 空間がぴかーっと輝きを放つ感じ。 

練り抜いたアイデア、来場者をよろこばせる仕掛け、何より描き下ろし原画のクオリティ。

どんどん素晴らしくなっている。 

 

書物への愛をそこかしこに散りばめて。

 

 

今日という日は、色々な方と本の話をした。いいものをいっぱい抱えて帰宅。

話した順に 風木一人さん(作家)、斎藤雨梟さん(画家)、中野好雄さん(中野活版印刷店)、都路一海さん(3末に閉じた箱根「星の王子さま」チーフスタッフ)、ひるねこBOOKS店主小張さん、ぬまのうまきさん(絵本作家)、西藤燦さん(絵本作家) 

本の皆さま、ありがとうございました!

 

 

 

 

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「本に片恋はない」と言ったのは、大正期の童画家であり当代きっての愛書家・武井武雄だ。

本気で愛すれば愛するほど本も応えてくれるという意味だそう。 

本好きは多い。

それぞれが思う本のキモは全然違うところにあったりする。それが面白い。 

そのせいで時々上手くいかないこともあるけれど、

違うって、それだけで広々とした心持ちがするものだ。

 

 

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4/17

 

 

 

何かをはじめる時の気持ちは、楽しくてワクワクするものでなくっちゃ♪


文字と出会う「はじめまして」!

 世界と出会う「はじめまして」! 

なんてつややかで美味しいそうな「はじめまして」! 


これは開きたくなるぞ 

 

 

☆『たべもの あいうえおのえほん』

(苅田澄子 文/いわさきまゆこ 絵/金の星社)

食べものを愛していないとこんなに旨そうに描けないはず。なんて絵だ!よだれが出そう。

 

 

 

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4/17

 

5月プレ、6月オープンの共同書店「本の長屋」(高円寺)に函主として出店します。

屋号は〈えほん+∞〉です。

(後日あらためてご挨拶させていただきます)

 

 

というわけで、憧れの活版印刷でショップカード(樹脂版)。 

中野活版印刷店さんにたいへん素敵に仕上げていただきました。

色もイメージ通り! 

100枚刷りました。 

活版印刷の機械で、自分の手を動かして、ガッタンガッタンこしらえるよろこびよ。

 

(東條)「不器用な私にもできますか?」(中野さん)「幼稚園児でもできますよ」のやり取りを経て記念すべき1枚目。満面の笑顔。

(ハードル爆上がりでした...汗)


嬉しくてインスタに動画も上げました。 


 


 

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4/18

 

「どうしてぼくもなかまにいれてくれないの?」と尋ねるふわふわくんの切なさ、その後の小気味よい展開。

子どもの心を掴む名作絵本。

 

ドロシーマリノはすごい。 

石井桃子はすごい。

 

声に出して読む。

丁寧に紡がれた言葉が絵が、体中に染み渡っていく。 

 

 

☆『ふわふわくんとアルフレッド』

(ドロシー・マリノ 文、絵/石井桃子 訳/岩波書店)

 

 

 

 

子どもとおもちゃの親密な関係を描く物語、命なき者に命を与えるファンタジーという魔法......まだまだあります。 

『ぬいぐるみおとまりかい』では夜中、当たり前のように図書館スタッフ(大人)と遊ぶ姿がいい。 

 

 

 

 

『ひとりぼっちのくうくう』は、数ある人形文学の中でも異色の作品。 

持ち主(子)と突然はぐれ、動くことも叶わず、自分がどこに居るのさえもわからない…… 

孤独と不安、でも、ひとりきりだから出会えた美しい世界。(私はここでスイミーを彷彿) 


"時"を定点で描き出すクールな手法は、杉田比呂美の真骨頂。

 

 ☆『ひとりぼっちのくうくう』

(杉田比呂美 作/小峰書店)

 

くうくうは無事持ち主(ともちゃん)の元へと帰る。ともちゃんだって、きっと必死で探し回っていた。 

真っ暗な夜の野原、父さんに付き添われ懐中電灯。半泣きの顔が目に浮かぶ。 

 

世界を見たくうくうは、以前のくうくうとは違う。

 

それはうれしいことでもあり、ちょっぴりせつないことでもあるのだよね

 

 

 

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4/20

 

やせっぽちの野良猫と男。ふたりの距離が近づいていく物語。

 

跳ね回り部屋を取っ散らかす子猫の背景に、男の悲しみが静かに描き出される。 

 

ひとりきりで生きていくには、人生はちょっと長すぎる。 


誰にでもこんな「まどろみのにわ」が必要。 

 

 

◇『まどろみのにわ』

(西藤燦 作/虹色社)

ソフトカバーの絵本

https://hiruneko.thebase.in

 

 

 

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4/21

 

「読書犬」によるサポート……東京では2016年に三鷹市が先駆け取り組んでいます。

 

 

セラピー犬に関しては、たしか2000年代初頭頃から、認知症患者の施設や学校でその活躍が認められていますね。

 

 

☆『わたしのそばできいていて』

(リサ・パップ 作/菊田まりこ 訳 WAVE出版) 

 

字を読むのが苦手なマディに、先生は「がんばって」と言うけれど......。

 

 一匹の犬がただそばにいること、静かにそこにいることが、悩める少女に深い安心と力を与える物語。 

 

 

ただそこに、静かにそこに。

 

 

 

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4/22

 

神保町の穂高書店(老舗洋書の取扱い社)青柳社長にご案内いただき、シェア型本屋「ブックスタジオ」へ。
ご一緒させていただいた星野由美さん(翻訳家)のお話が聴ける絵本イベントが、来月5/6に予定されています。
棚主のお一人「おかし文庫」さんによる読み聞かせもあるとのことです。

この日は困りごと文庫さんらの企画展示が繰り広げられていました。
本を間に小さな変革を起こす活動。
大いに共感!
若人がたくさん来ており風通しの良さを感じました。
「若い人と本の話がしたい」という願いも早々に叶ったぞ(カンタロウ君、ありがとう)

池上、いい街だなあ

共同書店のおもしろさは、肩ひじ張らない出会いにあると実感。
 

 


 


 

 

 

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4/23

 

本を贈る日〈サンジョルディ〉。 

誰かを想い贈る、自分に贈る……その時「お金がないからやめておこう」となる、毎日一所懸命に仕事してるのに、本屋から足が遠のく……そんな話をあちこちで聞くようになりました。

(元司書ゆえ話しやすいのだと思います) 

 

今日は選挙の日でもありました。

皆が贈り贈られる文化を享受できる そういう社会を。

 

 

 

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4/26

 

悪魔が、スターになりたいひなげしの虚栄心を狙い撃つ。
ひなげしは、金の代わりに阿片で支払うと約束するが……?

愚痴ばかりで幸福は手に入らない。
無知はきわめて危険。

見た目や肩書に騙されやすい私たちを映し出す、宮沢賢治の鋭利な眼差しにドキッとさせられる物語。

終始漂う不穏な気配、賢治がしのばせた教訓、そして絵本の芸術美を、名手・出久根育が見事に両立させています。 

 

 

◇『ひのきとひなげし』

(宮沢賢治 作/出久根育 絵/三起商行)

 

 

 

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4/27

 

「猫がかならずどこかに出てくる本」だけを扱うキャッツミャウブックスへ。

西藤燦さんの『みてみて!ライオンのあかちゃん』原画を観てきました。 

(絵本の紹介はまた後日)

 

子ライオンの愛くるしさはさることながら、親ライオンのその佇まいに、子を守らんとす本能のようなものを見て……

思わずぐっときました。

 

 


 

 

 

 

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4/29

 

GW1日目

 

本を読んで、選んで、仕入れて。

本のことばかり。

 

これらは図書館で借りて再読、大海赫の名作群。

 

 

 

 

絵本コーディネーター東條知美