5/2 【本の長屋(高円寺)プレopen!】


大正時代の古民家を改装した本の長屋 (高円寺のシェア型本屋)で函主デビューしました。
屋号は「えほん+∞」です。どうぞよしなに。
本日、20冊を搬入。
プレオープン期間ですが、どなた様もお気軽にお寄りくださいとのこと。

しかし、こ、こ、これは……Σ(゚д゚lll)
他の棚がまだガラッガラ……目立ちすぎて若干うろたえる!
本屋の体を成すためにも、早う皆さま搬入してくださいませ。

売上スリップを作成していたところ、様子を見に来られた函主仲間にさっそくお買い上げいただきました。

嬉しい嬉しい嬉しいよう。
はじめてのお客さま(仲間ではあるが)、ありがとうございます!

喜んで腹が減ったため、そこに現れた別の初対面函主を出会い頭にラーメンへ誘う。
初対面メンと何のためらいもなく並びラーメンを食べられるようになろうとは。(別に驚かれもしないだろう)

彫金アーティスト、舞踏家の研究者、広告代理店社員等々、今日会っただけでも多彩な顔ぶれ。
みんな、本で何かをやろうとしている。

本の長屋(高円寺)には、時折搬入やイベントで足を運ぶことになります。
ご案内しますので、ぜひお声かけくださいね♪

 

 

 

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5/3 【憲法記念日】

 

☆『「けんぽう」のおはなし』

(井上ひさし 原案/武田美穂 絵/2011年 講談社) 

 

〈むだなあらそいごとをやめて、平和にくらしていこうという日本のかんがえかたは、世界のあちこちで注目をあつめています。〉

 

 

 

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5/5 【こどもの日】

 

NHKで放送されていた『君の声が聴きたい』を観ました。

 

私の講演の大切なテーマのひとつに、(番組でも取り上げられていた)「子どもの幸福」があります。 
いつも思うのは、ほんとうに届けたい層に届けることのむずかしさ。

視聴者がこれをきっかけにあらたな視点を得たり、様々な場におけるアプローチが修正されたり、大人が真剣に子どもの世界に目を向ける…… 番組がそのきっかけとなりますように。 

 

子どもの問題は大人の問題だ。

 

 

 

こちら ⇓ は、絵本作家くさかみなこ氏が立上げた「ehonteen」(10代と絵本でつながるプロジェクト)

 

 

私は賛同メンバーとして、10代×各種媒体、図書館や本屋…で「絵本で育む希望」を構想中。

自治体の皆さま、本屋さん、ご一緒にいかがですか?(*^-^*)

 

 

 

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5/6

 

子どもの頃、茅葺き屋根の下で祖父母と聴いた蛙の合唱。 

闇夜に姿をくらませたかれらはそうか、こんな様子だったんだ。 

(懐かしさもあり)冒頭から胸がいっぱい。 

産卵、水底での過酷な生き残り…… ハッとするような場面もリアルに描きつつ、ラストでは、友だちになった3匹の子がえるを叙情的に描く創作絵本。 

 

生きているってすばらしい! きっとそんな風に感じられるはず。

 

おたまじゃくしの変態等、ワクワクするようなワンダーをたくさん散りばめて――

 

〈ちいさな生命の大きなドラマ〉を描く名作が、またひとつ生まれました。

 

 

☆『あまがえるのたんじょう』

(たてのひろし 作/かわしまはるこ 絵/世界文化社)

編集担当渡邊さんによると「夜は瞳孔が開いて黒目も大きく」描かれているという蛙たち。チェックしてみよう♪

 

 

 

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5/7

 

7月〜11月にかけ計3回、北京師範大学(中国)主催のオンライン講演会に登壇することになりました。

 今日はその打ち合わせのため、早稲田大学小林敦子教授の研究室を訪ねました。

 テーマは「絵本と読書支援(図書館)」「絵本と親子支援」「絵本とジェンダー」の3本。 

ご紹介いただいた方に深く感謝し、3講演しっかり務めさせていただきます。

 

 

 

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5/9

 

光村図書1年国語に「どうぶつの赤ちゃん」という教材があります。 

この単元で児童の皆さんは、説明文を読み、自分で書いてみるところまで学びます。(例:「くらべてみよう!どうぶつのあかちゃん」と題し、2種類の動物のあかちゃんのときの様子を図鑑で調べ、比較しながら書き(描き)記します。)

 

絵で描かれることで細部がよりわかる。やさしく語りかける……子どもにとって「絵本」は、写真とはまた別のよさがあります。

傍らにぜひこんな絵本を。

 

最初はうまくいかなくて当たり前。

ライオンの狩りだって、ほら… 

 

だんだんとやりかたをおぼえていくのです

 

 

☆『みてみて!ライオンのあかちゃん』(大塚健太 作/西藤燦 絵/今泉忠明 監修/岩崎書店)

子ライオンの愛くるしさはさることながら、親ライオンの佇まいには我が子を守らんとする本能のようなものがにじみ出ており…大人の私は思わずぐっときてしまうのでした。

 

 

 

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5/11

 

ザ・キャビンカンパニーは大分県の廃校にアトリエを置く二人組のユニット。 

かれらの作るものは、なにしろおおらかでよい。 

 

これは信号機の話だけど、ピンクやオレンジの信号が光る。空に道ができる。 

なんておおらかなシュルレアリスム! 

 

 

☆『しんごうきピコリ』

(ザ・キャビンカンパニー 作/あかね書房)

 

 

HPを見てみたら、Eテレおかあさんといっしょ「けけちゃま」のキャラクターデザインを担当し先日その絵本も発売と、じぇじぇ!いまやめちゃ売れっ子のかれら。 


ともかくこの『しんごうきピコリ』 、12pまでの文のまっとうさと後のぶっ飛んだ展開のギャップにクラクラ。 


これくらい大らかなのがいい。

 

 

こんなゆかいな しかけ絵本も。

 

 

 

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5/12

 

岩瀬成子×いとうみく対談(理論社75周年記念イベント)へ。

 

平成令和を代表する(岩瀬成子さんは1977デビュー時から活躍)両作家が今何を思い、どんな動機から「子ども」の物語を紡いでいるのか?「児童文学」をどう捉えているのか?
生の声、しなやかで強く明るい(物書きの)佇まいに触れることができました。


岩瀬成子さんもいとうみくさんも、かっこよかったな〜


イベントのレポ&感想は後日ブログにアップします。

 

 

 

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5/14 【母の日】

 

いろいろいろんなお母さんへ

おつかれさま!

ありがとう💐

 

❁ ❁ ❁ 

守り…
受けいれ…
時にたたかう…

「お母さん」の絵本を、いくつか本棚から抜き出してみました。


『あおいアヒル』(主婦の友社)、『あなたがうまれたとき』(小学館)、『おこりんぼママ』(小学館)、『ママはかいぞく』(光文社)、『3人のママと3つのおべんとう』(ブロンズ新社)、『おちゃのじかんにきたとら』(童話館出版)

『ぼくにげちゃうよ』(ほるぷ出版)、『ラヴ・ユー・フォーエバー』(岩崎書店)、『ぼくのママはうんてんし』(福音館書店)、『ふたりママの家で』(サウザンブックス社)、『しげるのかあちゃん』(岩崎書店)、『おかあさん、げんきですか。』(ポプラ社)

 

詳細につきましては出版社ページ等をご参照下さい。 またTwitter検索画面で「タイトル @TOMOMIT」をご入力いただければ、東條の過去のつぶやきが何かしら出てまいります。「僕らの絵本 タイトル」でググッていただいても出てくると思います。

 

 

 

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5/15

 

雨は何かと憂鬱ですが、やかましい色や音が水の中に封じ込められて、あたりがすこし静かになる日でもあります。 

 


知らない。 だから想う。 

 

雨の中の魚を 

 

雨の中の蝶々を 

 

 

◇『あめがふるときちょうちょうはどこへ』

(メイ・ゲアリック 文/レナード・ワイスガード 絵/岡部うた子 訳/金の星社)

 

「美しい絵本」のテーマで選ぶとき、レナード・ワイスガード、クレメント・ハードらの手掛けた作品がいくつも浮かんできます。 

アメリカ絵本の黄金時代、成熟期である1940~60年代の絵本。 

翻訳絵本の出版点数が減りつつある今日、詩情あふれる、芸術性の高い作品がこの先も残りますように…願いをこめて。

 

 

 

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5/15 【沖縄 日本復帰の日】

 

5月15日は「沖縄 日本復帰の日」。 

私は新潟県で生まれ育ったが、根っこに子ども時代の強烈な読書体験、灰谷健次郎著『太陽の子』(1979年 理論社)がある。

 戦争の不条理、差別、どうしようもない悲しみと痛みを抱える沖縄出身者たちの物語。 

それでも未来には、子どもたちには希望があると、ふり絞るように示されていた。

 

 

 

1981年刊行の『現代児童文学の世界』(毎日新聞社)では、松田司郎が『太陽の子』に書かれた沖縄の「明と暗」を掬い上げている。 

 

〈「何故」という問いを繰り返し投げつけることによって、人間は生きているのである。〉

 

〈このことを灰谷健次郎は、オキナワに託して述べているのである。〉

 

 

これとは別の話(になるのかもしれないが)

過日の岩瀬成子×いとうみく対談(理論社75周年記念イベント)では、オンライン視聴者から装画家の好みに関する質問が出た。

私は両作家に流れるリアリズムとリリシズムを愛する者の一人として、「それはとても重要」と心の中で叫んでいた。

 『太陽の子』の装画を、田畑精一の仕事を思った。1960~70年代の理論社の仕事を思った。

 

 

(当該ツイートに、ヒロシマ・フィールドワーク実行委員会の中川幹朗さんが「灰谷健次郎に会ったことがある」とコメントを寄せてくださいました。記録し、記憶を継ぐ人。)

 

(中川幹朗さん)

 

 

 

 

 

 

春のバラ

 

さいたま市にある与野公園にはかつて近くに住んでいたこともあり、バラの季節になると出かけて行きます。

バラ園は今が最盛期。うつくしい色と、なんともいえない甘い香りに満たされていました。

 

わたしの好きなのは「ハンスゲーネバイン」。花弁が丸くまとまっています。薄いピンク色をしており、有名な園芸家の名を冠したバラです。

 

 

ふと足元を見ると、「peace(ピース)」と名付けられたバラが、たった一輪咲き残っていました。

 調べてみたところ、ドイツ軍による占領直前にフランスから持ち出され、その後アメリカで終戦を記念し名づけられたもののようです。


 

愛と平和の象徴......「peace(ピース)」

 

どうかしぶとく咲きつづけておくれ。

 

 

 

 

絵本コーディネーター東條知美