【北京師範大学主催・オンライン講演会 vol.3】
 
11/17
中国の北京師範大学主催・オンライン講演会にて、「子育て支援と絵本」のタイトルの下お話しさせていただきました。
 
 
北京師範大学主催の講演は、「教育と読書支援」(7月)「ジェンダーと絵本」(10月)につづきこちらが3度目の登壇となります。
 

ご聴講いただきました皆様、北京師範大学関係者の皆さま、早稲田大学小林教授、資料翻訳に加えて同時通訳というたいへんなお仕事を見事にやりきってくれた劉琦さん(早稲田大学大学院生)に厚く御礼を申し上げます。

ありがとうございました。

皆様の力をお借りして、3講演無事に務め上げることができました。
 
 
 

・主催:北京师范大学教育学部姚颖副教授外国文教专家项目

・対象:学生、院生、一般

・目的:絵本を用いた子育て支援に関する紹介

 
 
 
この度も中国語の翻訳版資料をご覧いただきながら進めました。
 
 
 

 

副題は「絵本は子育て支援の場でどのように活用されているのか?

 

 

講義前半は(どの講演の場合もそうですが)、絵本をおすすめしたい理由、その前提としての社会状況・子どもと親の現在・全体の課題を洗い出すことから始めます。

私自身の体験、地域で、職場で出会った「子」と「親」、自治体の対応――いくつかの気になる実例もお話しします。

 

 

今回の場合は、日本における「子育て支援」とはいったい誰のための、何を目指すものなのか、どの程度必要とされているのかということを知っていただくところから。

 

また、

日本における「子育て支援」とは、一般に、親の学びを支援する「家庭教育支援」と、社会全体で財政的・教育的・福祉的に支援する「子育て支援」の両方をさす言葉である......とお伝えするところから始めさせていただきました。

 

 

 

 

 
 
「1.57ショック」以降の、政府の子育て支援政策の流れも追いました。
ちょうど今、議上に上がっている(検討真っ只中)「誰でも通園制度(仮)」についてもご紹介しました。
 
 
私自身、「誰に」「何を」「なぜ」伝えるか?ということをあらためて考え、準備を重ねた意義深い期間でもありました。
 
 
 
 
 
 

 

少子化・非婚化の深刻化、母親の孤立、経済不安の解消、格差化・多様化する家庭への支援は、近年 国の喫緊の課題となっています。

 
母親の孤立とその裏にある「ジェンダー」にまつわる人々の意識もあわせて、各種データと共に解説しました。
 
 
 
 
 
 
 
講義後半では、「絵本」を活用した親子支援の例(公的なサービス)の紹介、子どもの発達、親子関係の発達の解説、発達に沿ったおすすめ絵本のご紹介を行いました。
 
 
3回の講演を通し、ご聴講いただきました皆様からたくさんのご質問を頂戴しました。
「絵本」「教育」への高い関心が伺える一幕でした。
 
 
質問ににおこたえする形で、家庭教育支援の具体例や、「子育て世帯の地方移住」といった各自治体の推進する少子化対策についてもご紹介しました。
(虐待等の)ハイリスク家庭への支援に関し、園や学校、地域と家庭がどのように連携しているのかといった部分にも触れることができました。
 
 
 
 
 
日本でも中国でも、両社会が同じような課題を抱えていることがよくわかります。
子どもの幸福を願ってやまない――そのための各種社会課題の解決を望み、実践を重ねている人々の様子も垣間見ることができました。
 
 

「絵本」は子どもの発達、親子関係の発達、親の育ちを支援する重要なツールのひとつです。

デジタル絵本も紙の絵本も、それぞれの特性を活かしながら、子育て支援の現場でますます期待されることでしょう......という言葉で締めさせていただきました。

 

 

 

教育こそが希望であり、文化は壁を超える――
それを信じて、これからも皆様に〈絵本〉の可能性をお伝えしてまいります。
 
再见
谢谢 北京师范大学
 
絵本コーディネーター東條知美