🌟【丸ちゃん教授のツミナハナシ〈課外授業〉】vol.2「ツミナハナシ×絵本」



「本の長屋フェス」最終日のイベントゲストとして登壇、「罪と罰×絵本」をテーマにお話しさせていただきました。



丸山泰弘教授(立正大学)から伺う「勧善懲悪思考の日本」「刑務所の出産」「海外における犯罪率とテレビ番組」のお話、南口芙美さん((社)刑事司法未来 理事)による「児童文学にみる泥棒と社会」のお話など、盛りだくさん。
興味深く学ばせていただきました。

私は「絵本のはじまりと歴史、その背景」「社会を映す絵本」「勧善懲悪話の由来」等の話のほか、おすすめ本の紹介や、読み聞かせを行いました。
(1冊は、参加者の友人伊藤さんが読んでくれました。)

刑務作業で製作された木の絵本、『こがね丸』(巖谷小波)、『世界図絵』(ほるぷ出版復刻版)のほか大量に用意しましたが…「犯罪」をキーワードに選んだ絵本は時間の都合で紹介できず。またいつか!


絵本の読みあいの場面では、皆様より実に様々な「読み」――感想や疑問が飛び出しました。

「泥棒たちはなぜ財宝をためこんでいたのだろう?」
「さらった子どもを大事に抱えていたのはなぜ?」
「子どもたちに同じ制服を着せたのことに意味はあるの?(赤色に意味?)」
「子らの保護者の思いはどう?」
「子どもをさらって兵士にするテロリストを想起」
「刑務所の起源をたどれば元々は行場のない人々のための福祉施設だった」
……

問いや思いがあふれ出します。


同じものを見て聞いても、私たちの胸に沸き起こるものはこんなにも違います。
他者の思いを想像し、断じず、対話をあきらめないこと――その大切さをあらためて思いました。
また、これだけ多様な視点があるのだということ、多様な「私」の響き合いを感じていただけたとしたら幸いです。


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〜 イベントで紹介した主な書籍 〜

○『女性受刑者とわが子をつなぐ絵本の読みあい』(村中李衣編著/中島学著/かもがわ出版)



○『すてきな三にんぐみ』(トミー・ウンゲラー作/今江祥智訳/偕成社)



○『3びきのかわいいオオカミ』(ユージーン・トリビザス文/ヘレン・オクセンバリー絵/こだまともこ訳/冨山房)



○『あいまいさを引きうけて』(清水眞砂子著/かもがわ出版)




○『世界文学をケアで読み解く』(小川公代著/朝日新聞出版)



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余白に、それぞれの景色、経験を見るわたしたち。

この日偶然のめぐり合わせでここに集い、言葉を交わしあい、あらたな視点に出会えたことを嬉しく思います。


寒い中をお運びいただきました皆さま、丸山泰弘教授(立正大学)、南口さん(刑事司法未来)、ありがとうございました。
またご一緒できますことを!
主催の現代人文社様、本の長屋代表狩野さまにも感謝申し上げます。
ありがとうございました。


「刑事司法OASIS」登録して、もらいました✨嬉しい


「ツミナハナシ【課外授業】」に参加するともらえるクリアファイル✨これも嬉しい


絵本コーディネーター東條知美