電話相談でこんな質問をいただきました。
「WEBサイトのどこかに会社の理念を綴ったページを用意したほうがいいのでしょうか?」と。

私はこう答えました。
「理念を体現するのが事業です。書かないと理念が伝わらないような事業では駄目ですよね」

誤解しないでください。「理念を書くな」と言っているのではありません。あえて書かなくても伝わる事業が好ましい、それを目指すべきだと言っているのです。

理念は必ず事業に反映されます。まず、事業コンセプトに影響を与え、事業コンセプトは、戦略、戦術に影響を与えます。戦術レベルまでに落ちてくると、消費者は嫌でも理念の片鱗に触れることになるでしょう。

たとえば、「自分を育ててくれた地元に恩返ししたい。そのために、地元をPRしたり、地元経済に寄与する事業をしたい」といった理念を持っていたとします。そこで事業コンセプトを「地元の食材を原料にした商品を全国販売する」にしましょう。広報も「地元出身の役者を使ったプロモーションビデオで宣伝する」といった手法が思い付くかもしれません。

商品やPR動画を見た人は、「地元を推している会社なんだな」と思うはずです。理念を文章にして読ませても「そうだと思った」といった返事が返ってくるだけでしょう。もし、「えっそうなの? そんな理念でやってたんだ。全然分かんなかった」といった感想を持たれるようでは、まだまだ理念が事業に反映されていないか、取って付けたような理念を書いているだけです。

理念は記すものではなく、形にするものです。
あなたの事業は理念を形にできていますか? 一度振り返ってみてください。