大阪の、とある一流ホテルに宿泊したときの話。
そのホテルは、サービスの質が高いことで有名です。多くのメディアで紹介され、書籍も出版されたほどです。私も、一度最高レベルのサービスを体験したいと思い、宿泊予約を入れました。

 

いざ宿泊してみると、期待していたサービスはほとんど受けませんでした。噂のウェルカムドリンクはなく、チェックインで10分も待たされるなど、悪い点ばかり目につきました。

 

一元客のため、得意客ほどのサービスを受けられないのは仕方ありません。それを考慮しても、特別なサービスを体験したという印象は受けませんでした。ガッカリしたというのが、正直な感想です。

私がガッカリしたのは、過度な期待をしていたことも要因です。雑誌や書籍を読まなければ、過度な期待をせず、これほど不満には思わなかったでしょう。

 

メディアは、良い個所を強調して伝えます。そのため、メディアで集まったお客様は、高い期待を抱いています。今まで喜ばれていたサービスが、されて「当たり前」、もしくは「この程度なのか」と評価されてしまうのです。

 

ランチェスター戦略を広めている有名な経営コンサルタントも、「メディアには、あまり露出しないほうが良い」とおっしゃっていました。
数多くの企業を見てきた経験から出た言葉なので、とても参考になります。

 

さて、先ほど例に挙げた一流ホテルは、今どうなっているでしょうか。
不景気ということもあってか、今では半額近くで宿泊できます。以前は、そんな安価で宿泊はできませんでした。しかし、同じ不景気の中にあっても、メディアに露出することもせず、満室を維持しているホテルや老舗旅館はいくつもあります。

 

過剰な露出をせず、地道に、そして確実にサービスを提供する。それが、長期的に商売を繁盛させる秘訣なのです。

 

 

 

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