最近、「◯◯大全」といった分厚い書籍を目にする機会が増えたと思いませんか?
情報があふれている中、手っ取り早く情報を網羅したいといったニーズの表れなのかも知れません。しかし私は、この手の本は、扱い方を間違えれば読者はバカになると考えています。

仮に「アイディア大全」があったとします。
世の中にある様々な発想法の特徴や使い方が紹介されています。ですが、それを読んだからといって、すべてのアイディア法を理解できたわけでも、使いこなせるわけではありません。あくまでも、「こういったアイディア法があるんだ」と全体像を知っただけです。

ただ問題なのは、大全を読んで分かった気になり、深掘りしなくなることです。仮に、その本を読んで発想法が多少使えるようになったからといって、何になるのでしょうか。先のスキルの話と同じで、最弱レベルのスキルに大した価値はないのです。

私も発想法を長らく学んできた経緯があります(読んできた書籍は200冊を余裕に超えている)。
最終的には「アナロジー思考こそ至高である」という結論に達しました。アナロジー思考力さえあれば、世の中にある発想法の8~9割は無用になると考えています。アナロジーに関する本はすべて購入していますし、鍛える方法まで編み出しています。それぐらい一つの発想法に注力してきたのです。

アナロジー思考を鍛えるノート術

「アイディア大全」にアナロジー思考が載っていたとしても、多くて10ページそこらでしょう。そんな情報量では、アナロジーの片鱗にしか触れられませんし、価値も理解できません。大全を読んだことによって分かった気になり、その後学ばなくなるのなら、かえって害悪です。

「◯◯大全」を読んで学ぶという姿勢は、ドラクエで言うメラ系、ヒャド系、ホイミ系の中の最弱だけを覚えようとするのと同じです。最弱呪文を10覚えるよりも、メラ系だけに注力して「メラゾーマ」を使えるようになったほうが10倍の価値はあります。

 

「◯◯大全」は、何かを得た気になったつもりのバカを量産するだけの本にすぎません。