【アルミランテ】*
ブランデー・デ・ヘレス・ソレラ・レセルバ
ソレラ開始1930年:オロロソ樽熟成

*現在(2011年)この銘柄は廃番になってます。
$Sherry Museum館長[中瀬航也]のオフィシャル・ブログ-玉村豊男
(以下紹介本より拝借)

ブランデーと言うと、
その言葉自体は英語なのに、
二言目に出てくるのは
一般的には「コニャック」ですが…

紀元後、
飲料用として広く知られるようになったブランデーと言えば、
実はスペインのブランデーなんです!

中でも歴史が古いのが
【シェリー・ブランデーSherry Brandy】
スペイン語では
【ブランデー・デ・ヘレスBrandy de Jerez】
と言います。

ブランデーらしきものは、
紀元前のギリシャやローマにあったようですが、
キリスト教的な蒸留酒タブーの理由で
数百年は失われた文化となります…

その後、スペインにおいては
711年に侵略してきたイスラム教徒等によって、
その蒸留という技術がもたらされ、
コルドバの12世紀ルネサンスを期に発達…

12世紀北スペインから南フランスを騒がしたカタリ派は
かつてグノーシス派がそうであったように、
洗礼にブランデーを用いていました。

そんな中、アンダルシアでもブランデーは造られるようになり、
後にシェリー酒の最大の特徴となる酒精強化という技術を生み出します。

ヘレス(シェリー酒の産地)における明確な記録は
1580年にあるブランデーに対する税金徴収記録ですが、
恐らくそのずっと以前に存在していたと考えられています。

***************

シェリー・ブランデーは本来はシェリー酒の副産物として、
シェリー酒に向かない物などが蒸留されていたりしましたが、
1880年代以降、皮肉にもフランスなどのフィロクセラ禍で
ワインもブランデーも不足したおかげもあって、
シェリー・ブランデーだけの市場が発達…

現在はシェリー酒に用いるパロミノ葡萄種は主原料ではなく、
大量生産向きなアイレン・ブランカ葡萄種が主原料に、

また、その生産(蒸留)は、ヘレスやその近郊でではなく、
ほとんどが葡萄生産地であり、税金対策にも有利な
ラ・マンチャで行われています。

蒸留液には安価用に用いられる連続式蒸留機製のものと、
高級品用に用いられる単式蒸留機製のものとがあります。

ここで造られたブランデーは
もちろん、酒精強化にも用いられます。

***************

シェリー・ブランデーは
基本シェリー酒の空樽(主としてオロロソ樽)を用いて
ソレラ熟成が行われ、

その熟成度にしたがって、
【ソレラ Solera】
【ソレラ・レセルバ Solera Reserva】
【ソレラ・グラン・レセルバ Solera Gran Reserva】
に大別されます。

熟成年数に関しては、シェリー酒同様、
ソレラの開始年x抜き注ぎサイクルなので、
一概に何年熟成とは言えません。

***************

主な消費は
【スペイン国内】の他、
旧スペイン領の
【フィリピン】【ギニア】【メキシコ】や
【ドイツ】などです。

***************

このページは以下の
「あの酒、その国、このお店―とっておきの世界のお店」
(1998年10月発売)の掲載記事
【スペインのシェリーのブランデー「アルミランテ」を飲む】
という記事80p-84pの部分です。

あの酒、その国、このお店―とっておきの世界のお店 (酒文ライブラリー)
¥1,890
Amazon.co.jp

内容としてはシェリー酒と
このブランデーを飲んでみよう!というもので、
掲載用に以下のセットを企画。
$Sherry Museum館長[中瀬航也]のオフィシャル・ブログ-玉村豊男

もちろん御約束でベネンシアールしました。
以下の写真はシェリー酒でのベネンシアールですが、
シェリー・ブランデーでも
ベネンシアールはするんですヨ(笑

$Sherry Museum館長[中瀬航也]のオフィシャル・ブログ-玉村豊男
(Copaより小さいCopitaでのベネンシアール:当時27歳)