私たちの体は60兆個の細胞でできていますが、その細胞がそれぞれ体内時計を持っています。
ただし、60兆個も時計が
あると、バラバラに動く時計も出てきます。
そこで、脳の視床下部に標準時計があって、全身の細胞に同期信号を送り時刻を合わせています。


夜中の食事
もしも、この標準時計が狂うと、どうなるでしょうか?


海外旅行などで時差が生じると、私たちは日中に眠くなったり、食欲がなくなったりします。
シフト勤務や夜勤などの不規則な生活をすると、やはり脳の標準時計が狂い、その状態が長く続くと、ついにはストップしてしまいます。
標準時計がストップすると、注意力が散漫になったり、体調が悪くなり、不眠症になったりします。


夜中に食事をすると、食べ物が小腸で吸収され肝臓に入ります。

栄養分は肝臓で分類されて、体中に送られます。
体中の各組織の細胞は、栄養が送られてくるとそれぞれの機能を発揮して活性化しますが、脳の標準時計のリズムとは違った時間に働くので、これが生活リズムが崩れる原因になります。

したがって、夜中の食事なども時差ボケと同じ悪影響を及ぼします。

生活リズムが崩れると、高血圧、がんの発生率が高まることが医学的に証明されています。


規則正しい生活をするには
脳の標準時計の周期は、約24.5~25時間です。

これまでに多くの人が実験をしていますが、外界から切り離された状態で、長期間をすごすと、体内時計は次第に夜型の方向にずれていきます。


体内時計は、朝の太陽によってリセットされることによって、24時間のリズムを刻みます。
ですから、規則正しい生活をするには、朝起きたら窓を開けて太陽を浴びることがもっとも大切です。

・たとえ、夜が遅くなっても、朝は、いつものように起きて体内時計をリセットしましょう。
・睡眠時間が短くなってしまったら、昼寝を20~30分します。
・朝食に糖質と蛋白質をすると、リセット効果があります。脂質の多い食事はあまり効果がありません。
・登校拒否や引きこもりの人も、朝だけは太陽とともにおきて体内時計をリセットし、健康を保つようにしましょう。